Googleの「サーチトランスフォーメーション」で広告はどう変わる?Marketing Dive

Googleは広告主向けの年次イベント「Google Marketing Live 2024」において、広告やコマース関連のサービスに関する最新アップデートを発表。生成AIを活用したショッピング広告の強化や複雑な購入決定をサポートする方法などについて説明した。

» 2024年05月27日 13時00分 公開
[Peter AdamsMarketing Dive]
Marketing Dive

 Googleは年次イベント「Google Marketing Live 2024」において、広告主向けに多数の生成AI開発を予告した。

「AIによる概要」に広告を表示

Marketing Liveショーケースでプレゼンテーションを行うGoogle広告担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーのビディヤ・スリニバサン氏(出典:Google Blog「Ads creativity and performance at scale with Google AI」

 OpenAIやMicrosoftなどの他のテクノロジー企業との熾烈な競争の中で、生成AIはGoogleにとって戦略的優先事項となっている。Googleは、自動化を中心に構築された広告主向けの自動化ツールの新機能をプレビューする傍ら、多くのユーザーの検索結果の上部に表示され始めた「AIによる概要」に間もなく広告を直接導入すると発表した。

 「AIによる概要」は最近米国全土で段階的に導入が開始された。これは生成AIを活用して、さまざまなソースから抽出したクエリに対する回答を一つの要約文にまとめる機能だ。的外れな結果を生成することがあるとして、批判にさらされてはいるが、それでも生成AIを優先する検索体験への移行は、オーディエンスへのリーチをGoogleに依存しているパブリッシャーや広告主ににとって、大きな影響を及ぼすであろう重要な変化だ。今回のMarketing Liveで、Googleがこの方向転換を迅速に収益化することを熱望していることがあらためて明らかになった。

 以前のテストでGoogleは「AIによる概要」の上下に広告を配信していたが、現在はウィンドウ内でのスポンサードサーチ広告やショッピング広告の配信を検討している。衣類のしわを取る方法を検索するユーザーは、AIの概要からのヒントに加えて、DownyやBounceなどのブランドのしわ取り製品を表示するスポンサードカルーセル広告を同時に目にする可能性がある。広告掲載は当初米国で実行される。既存のP-Max、検索、またはショッピングキャンペーンを「AIによる概要」に表示させるために広告主が追加のアクションを行う必要はない。

 コマース分野においても、Googleはより洗練されたバーチャル試着や生成AIによる3Dレンダリングで、ショッピング広告を洗練させようとしている。Googleがハイライトした事例では、消費者が「夏用トップス」を検索するとLevi’sのブラウスの広告が表示され、それを見て右上隅にあるアイコンをクリックすると、広告の下に異なる衣料品のサイズやさまざまな民族や体型を代表するモデルのオプションがカルーセル形式で表示された。これにより、ユーザーは好みに合わせて画像をカスタマイズできる。Googleによると、買い物客は動画や商品概要、同じブランドの類似商品の提案などを通じて、興味のある商品をより深く知ることができる。

 Googleは、AIの広告分野におけるより高度な活用法についても積極的に取り組んでいる。例えば収納スペースを探しているユーザーは、自室の写真を複数枚アップロードするだけで最適なサイズの収納ユニットを紹介する広告に遭遇することになるかもしれない。

 Marketing Dive は、Marketing Liveで紹介されたソリューションがいつ利用可能になるかについて問い合わせており、返答を待ってこの記事を更新する。

 Googleは他のデジタル広告プラットフォームと同様に、広告主が広告制作に生成AIを活用することを望んでおり、生成された結果が厳しいブランドガイドラインに沿ったものになるように、より多くの対策を講じている。そのために、Google広告の「P-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーン」は近日中に、アセット生成時にカスタムカラーやフォント、より具体的な画像参照を入力できるようにする予定だ。さらに、GoogleはAIを活用した画像編集機能を拡張し、マーケティング担当者が既存の画像に、部屋の雰囲気を統一する油絵のような新しいオブジェクトを簡単に配置できるようにする。

 Googleは発表の中で、生成AIを効果的に活用するには、質の高い入力データと効果測定が不可欠であると強調した。マーケティング担当者がデータ管理を一元化できるように、同社は「Google Ads Data Manager」を広く利用できるようにしている。これは、複数のデータソースやベンダーを使いこなすためのリソースやノウハウを持たない中小企業をターゲットにした動きだ。

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