経済不安と自分へのご褒美ニーズの高まりから、2023年のホリデーシーズンは予測を裏切り、多くの消費者がブラックフライデーまで買い控える心理に影響された。Why Groupの調査で明らかになった。
消費者が自分へのご褒美マインドを受け入れたことは、2023年末のホリデーショッピングにも浸透した。お買い得商品の流入は衝動買いを促し、マーケターは今後数カ月の間にギフトキャンペーンを計画する際にこれを利用できる。Horizon MediaのWhy Groupでバイスプレジデントを務めるミリアム・ブラウニング=ナンス氏は「2023-2024 Holidays Unwrapped」から得られた重要な教訓の一つとして、セルフケアの重要性に関するメッセージが購買意欲を高めるのに役立つことを挙げる。
※編注:本稿は「消費者の「自分へのご褒美』支出拡大にマーケターはどう反応すべきか?」の続きです。
この調査では、経済的に最も脆弱な人ほど、予定よりも多くの出費をする傾向があることも分かった。全体として、アメリカ人の60%がホリデーショッピングのためにクレジットカードの負債を増やしている。
「経済的に最も脆弱な買い物客は、ホリデーシーズン前に贈答を控えなければならないという傾向が最も強かった。だが、予測額と実際の支出額との間に最も大きなギャップがあり、結局シーズン中に予想よりも17%多く出費している」とブラウニング=ナンス氏は話す。
Whyのレポートは、消費者が直面している経済的負担を考慮し、柔軟な支払いオプションの必要性を強調している。ホリデー期間中にBNPL(後払い)サービスの利用が増加した。10人に1人がこのサービスを利用しており、このような決済の期待値は今後も伸び続けると予想される。2024年には、決済額は前年比12.3%増の800億ドルに急増すると予想されている。
負債が増加する一方で物価が高止まりしている2024年、消費者がどの程度消費に慣れているのか、また販売促進的なメッセージングに慣れているのかはまだ分からない。
ブラウニング=ナンス氏によると、BNPLのソリューションは小さな子どものいる家庭に支持されている。
「これらの学びは、イースターのような小さな祝日を間近に控えた時期にも応用できる。子ども中心の祝日であるイースターは、店頭でもオンラインでも、BNPLのオプションや最安値保証を通じて、小さな子どもを持つ親にアピールする絶好の機会だ」とブラウニング=ナンス氏は言う。
消費者の金融不安が続いているため、多くの消費者が早めにホリデーショッピングを始めるだろうと予測されていた。買い物客も、10人に6人が感謝祭前に買い物を始めると回答していた。実際には、早く始めると答えた人の10人に4人は買い物を始めず、少なくともブラックフライデーまで待つ人が50%を占めた。この出遅れは、10人に7人の消費者がホリデーシーズンに最もお得な買い物ができると考えていることが原因だと思われる。
消費者が買い物を遅らせることは、ホリデーショッピングシーズンを分散させようと各ブランドが努力してきたことに逆行する。例えば、Walmartはブラックフライデー商戦の延長を通じて、消費者にホリデーシーズンの支出を拡大するよう促してきた。
しかしブラウニング=ナンス氏は、従来の消費シーズン以外の時期にも、このようなホリデー消費を促進することは可能だと言う。
「つまり、ショッピングシーズンをより分散させたいと考えている小売業者は、Amazonプライムデーのように、買い物客が最安値で買えることが保証された小売業独自の『ホリデー』を設けることを検討すべきだということだ。パーソナライゼーションステーションやポップアップイベントのような特別な店舗体験も、付加価値を高めるのに役立つだろう」(ブラウニング=ナンス氏)
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