消費者の普段の買い物行動はどう変わったのでしょうか。カタリナマーケティングがデータの推計や意識調査の意向ではなく実購買データのみで構成したレポートを発表しました。
小売業向けにマーケティングソリューションを提供するカタリナマーケティングジャパン(以下、カタリナ)は、同社が展開する全国のGMS(総合スーパー)やSM(食品スーパー)、ドラッグストアチェーンのネットワークにおける実購買データ(ID-POS)を活用し、消費者の購買行動の変化を分析した結果をレポートにまとめました。同レポートの基となるのは、カタリナが扱う年間売り上げ10兆円規模の実購買データで、これは日本のSMとGMSの年間売り上げの実に6割をカバーする規模です。普段から買い物をしている消費者の買い物行動がどのように変化したのかをまとめるため、以下の条件に該当したIDの購買データを対象として分析を実施しています。
カタリナネットワーク内で買い物をした消費者の2023年の総購入金額は、2022年と比較し101.9%に増加しました。買い物1回当たりの購入金額は前年比102.7%(68.3円増)でした。逆に1回当たり購入数量は前年比97.1%と、3%ほど減少しています。平均購入単価は105.8%に上昇しています。
2023年は前年と比較して値上げの傾向があり、それが平均購入単価の上昇として表れており、そのあおりをうけて消費者の反応が1回当たり購入数量減少という結果になったと考えられます。
商品カテゴリー別では全46カテゴリー中9割を超える42カテゴリで、購入者数が前年を割れしています。
2022年と比較して2023年に最も購入人数(ID数)が増加したカテゴリーはベースメイクでした。2023年は社会情勢がコロナ禍からの回復に向かったため、外出機会も増加し、それに合わせるかたちで需要が伸びたことが考えられます。注目すべきは購入平均単価が前年比減となっている点です。これはベースメイクカテゴリーの商品群が値下げされたというわけではなく、選ばれる価格帯が若干安いものに寄っていることを示唆しています。実際、3000円台の商品の購入金額は前年比で3.1%減少した一方、1000円台の商品は前年比2.4%増となっています。
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