Salesforceが世界18カ国で実施した消費者調査「コネクテッドショッパー最新動向」(第5版)の結果です。
セールスフォース・ジャパンは最新の消費者調査「コネクテッドショッパー最新動向」(第5版)の日本語版を発表しました。調査対象は18カ国の2400人の買い物客と1125人の小売業界リーダー。今回の調査では小売業者と買い物客がコロナ禍後の小売業界の状況にどう適応しているかを明らかにするとともに、生成AIの活用方法についても聞いています。
生成AIを使用して購入商品のインスピレーションを得たことがあると回答した買い物客は17%。回答者の大半はまだ生成AIを積極的には利用していないながらも、このテクノロジーがショッピングに役立つかどうかを探ることには関心を示しています。生成AIの使用目的別に買い物客の関心度(「非常に関心がある」「ある程度関心がある」の合計)を見ると、「電子機器や電化製品の調査」(52%)、「衣服/ワードローブのインスピレーション」(44%)、「献立の作成」(44%)、「おすすめの美容情報の入手」(39%)という結果になりました。
小売業者も顧客エンゲージメントやオペレーションにおいて生成AIがどのような役割を果たすかの評価に追われています。顧客体験、Eコマース/デジタル戦略、ITまたはマーケティング職の回答者を対象にコマース目的での生成AIの使用状況を聞くと、使用率が高いのは「店舗スタッフが店内で利用可能な商品レコメンデーションを生成する」(59%)、「会話型のデジタルショッピングアシスタントを作成し、買い物客が目的の商品やサービスを見つけられるようにする」(55%)、「商品詳細ページに表示するバーチャルモデルを作成する」(52%)、「パーソナライズされた製品の組み合わせを作成する」(51%)でした。生成AIを現在使用していない場合でも、いずれに目的においても「生成AIを評価中」がほとんどで、生成AIへの関心の高さがうかがえます。
ブランドや小売業者、オンラインマーケットプレースにとってEコマースサイトやアプリは最も人気のあるデジタルショッピングチャネルとなっていますが、他のチャネルも勢いを増しています。その一例として、現在では買い物客の59%がソーシャルメディアで購入したことがあると回答しており、2021年の15%から約4倍に増加しています。
実店舗での体験においてもデジタルツールが浸透しています。買い物客の60%が店舗内でモバイルデバイスを使用していると回答しており、よくある使い方として「スマートフォンを使って商品をネット検索す」(36%)、「QRコードをスキャン」(32%)、「スキャン&ゴー(店舗内での購入品の代金を、モバイルデバイス経由で店舗のアプリを使用して、店舗内で決済)」(18%)などが挙がっています。
店舗の役割も変わりつつあります。オンラインで購入するつもりの商品を実際に手に取って感じることができるショールームとしての役割に加え、Eコマースの配送センターとしても使用されるようになっています。買い物客の57%がオンラインで購入した商品を店頭で受け取っており、49%はオンラインで購入した商品を店頭から自宅へ配送してもらっています。
小売業者も実店舗での配送機能の計画を強化しています。計画通りに実現すれば、オンラインで購入した商品を実店舗に返品できるサービスを提供する小売業者の割合は52%に増加し、BOPIS(オンラインで購入した商品を店頭で受け取る)の割合は66%に増加すると予想されます。
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