楽天が本気で進める「オムニコマース」 1億超のIDがオンラインとオフラインの体験をつなぐ「購買」が起点

楽天グループが広告事業の領域をオンラインからオフラインまで拡大させている。1億を超える楽天IDのデータを集客と顧客エンゲージメントの向上にどう活用できるのか。担当者に聞いた。

» 2021年07月15日 10時00分 公開
[三ツ井香菜ITmedia]

 ECサイトや会員登録制サイトなどにおいては、顧客IDと行動履歴データを(プラバシーへの十分な配慮を前提としつつ)活用して商品のおすすめや広告配信を実施するのが当たり前になっている。このトレンドはオンラインだけにとどまらない。店頭での購買データとデジタル上の顧客IDとの統合、デジタルチャネルから店頭への送客など、オンラインとオフラインをまたぐ、いわゆるOMO(Online Merges with Offline)の取り組みが今注目されている。

月間900万枚分のレシートデータを活用

 企業がOMOを実践するに当たり、主導的な役割を果たしているのが、膨大な会員数を擁するプラットフォーム各社だ。「楽天市場」を中心として多岐にわたるオンラインサービスを展開する楽天グループ(2021年4月に楽天から商号変更)もその一つ。同社は1億(2021年3月現在で)を超える楽天IDをベースにオンラインとオフラインの行動をまとめて捉えて顧客を理解し、宣伝や販促、顧客育成に生かすためのサービスを2019年4月から提供している。それが「RMP - Omni Commerce(以下、オムニコマース)」だ。

山口高志氏

 楽天グループでオムニコマース事業を統括する山口高志氏(グローバルアドディビジョン DX企画部 ヴァイスジェネラルマネージャー)は「信頼性の高いIDと購買に結びついたデータがわれわれの強み。オンラインとオフラインを統合的に捉えてLTV(Life Time Value:生涯顧客価値)をどう上げていくか、試行錯誤できるマーケティング環境を提供できる」と語る。

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