企業のイノベーション創出と組織活性化に関する実態調査の結果です。
日本能率協会(JMA)は、イノベーションの実現と企業組織の在り方の間にどのような関係があるのかを探ることを目的として、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の山中伸彦教授と共同で、「企業のイノベーション創出と組織活性化に関する実態調査」を実施しました。
調査対象となったのはJMAの会員企業およびサンプル抽出した全国主要企業の経営企画・マーケティング・人事・総務部門の役員・部長クラスの役職者(計3500社)。そのうち240社から回答を得ています(回答率6.9%)。
今回の調査では、設問の一つとして「同業他社よりイノベーション能力に優れているか」を尋ね、「当てはまる」から「当てはまらない」の5段階で回答を得ました。その結果、「当てはまる」と答えた企業は、以下の組織風土があることが分かりました。
一方で、組織風土についての設問を複数設定し、それぞれについても「当てはまる」から「当てはまらない」の5段階で回答を得ました。「当てはまる」を5点、「当てはまらない」を1点として、イノベーション能力の企業群ごとに平均値を算出した結果、イノベーション能力に優れている企業は、「組織内で、自分たちが世の中でどう役立ちたいのかについて、日常的に会話がなされている」など、顕著に当てはまる傾向が見られました(差異の大きかった箇所に黄色で印をつけています)。
この表を基に、「同業他社よりもイノベーション能力に優れているか」の設問に対する回答群ごとの組織風土の傾向(平均値)を比較したのが以下のグラフです。
「同業他社よりもイノベーション能力に優れているか」の設問について「当てはまる」と回答した企業群と、「全体平均」ならびに「当てはまらない」企業群における組織風土の傾向値の差を示したのが以下のグラフです。「イノベーション能力に優れている」について「当てはまる」と答えた企業群と「全体」の平均の差が1.00以上あった項目と、「当てはまる」企業と「当てはまらない」企業の差が1.80以上あった項目に赤枠で印をつけています。
JMAではこの結果から、イノベーション能力に優れている組織には「ビジョンが浸透している」「部門間の協働がある」「アイデアが創出され組織的に学習する」「社会課題への感度が高く能動的に働きかけている」といった特長があると考えることができるとしています。
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