人事担当者の負担や手間をかけずに社員紹介による「リファラル採用」を導入・促進できる、国内初のクラウドサービスを提供するMyRefer。データクレンジングの重要性を実感した担当者がゼロから学び、一気通貫で構築してきたマーケティング環境とは。
(このコンテンツは24-7ブログ「IM7」の掲載記事を一部再編集の上転載したものです)
MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入する企業が増えていますが、導入をちゅうちょしている、またはうまく活用できていない企業も少なくないのではないでしょうか。
このシリーズでは、既にMAツールを活用している企業のご担当者に導入の経緯や運用方法、成果などについてお話を伺い、これから活用される企業の一助となるような情報をお届けしていきます。
昨今、社員の知人や友人を紹介・推薦してもらい、選考をする採用手法として高い注目を集めるリファラル採用。そのリファラル採用を活性化させるツールとして、企業導入社数No.1を誇る「MyRefer」を開発するMyReferにて、MAツールを活用した仕組み作りから導入、運用まで手掛けている取締役COOの細田亮佑氏に話を聞きました。
──まずはじめにMyReferについて教えてください。
細田 MyReferは、「つながりで日本のはたらくをアップデートする」をビジョンとして掲げており、リファラル採用を活性化させるためのクラウドサービスを提供しています。現在は、500社以上の企業にMyReferを導入いただいています。
会社の成り立ちとしては、2015年にパーソルグループの社内ベンチャーとして立ち上がり、2018年8月にパーソルグループからスピンオフする形でMyReferとしてスタートしました。インテリジェンスグループ(現パーソル)からのスピンオフはサイバーエージェント以来、20年ぶりとなります。
──当時の組織の規模感はどのくらいだったのでしょうか。
細田 2018年8月の時点では15人ほどです。それから約1年経過し、現在は28人ですので2倍くらいの規模になりました。
──社内ベンチャーでスタートして、スピンオフするに至った理由には、どのようなことがあったのでしょうか。
細田 一番の目的はMyReferがサービスとして日の目を見るようにするためですね。大企業の中だとイノベーションのジレンマがあったため、サービスを従来以上に加速して展開していくためのスピンオフになります。
──スピンオフされる以前からMarketoを活用されていたんですね。導入の経緯を教えていただけますか。
細田 顧客のMyReferへの接点状況をWeb上でもリアルタイムに把握がしたかったですし、ABMツールや、チャットツールと連携させたり、お客さんのフェーズや属性、Web上の行動に合わせてマーケティングや営業チームがコミュニケーション方法を変えることが目的だったからです。
──細田さんは、マーケティングやMAといった知見はどのようにしてためていかれたのですか。
細田 最初は2〜3年前ですかね。パーソルグループでSalesforceを導入したものの、初期設定から何から、何も分からなかったので、toBeマーケティングさんに協力いただき、「CRMとは何ぞ」といった本当に基礎の基礎の部分をいろいろと教えていただきました。その後は分からないことが出てきたら都度Salesforceのサポートセンターにしつこいくらいに問い合わせをして、ひたすら質問していました。半年くらいへてCRM全体の仕組みや設定を把握できるようになり、実現したいことができるようになってくると、今度はMA側で実現したいことが山のように出てきました。あとはCRM同様にMarketoに詳しい方々に聞いて回って実装して……の繰り返しです。
──現在の御社でのCRMやMAに対する基本的な考え方を教えてください。
細田 基本は、Salesforce(CRM)とMarketo(MA)とABMツールの「FORACAS」がインフラになっています。Marketo側ではメールマーケティングやスコアリングはもちろんですが、スマートキャンペーンやウェブフック機能などはよく使っています。例えば、われわれの注力顧客のWeb上のアクティビティーを「Slack」に送信して営業が優先的に、かつ即時顧客対応ができるようにしています。Salesforceでは、各取引先に関連する活動情報とGoogleカレンダーを連携できる「rakumo」を使って、カレンダーにタスクや顧客訪問スケジュールを自動反映できるようにしています。
この仕組みを使って、顧客の興味喚起、リードジェネレーション、ナーチャリング、商談作成、フェーズ管理、営業活動、見積、契約、納品・請求、次回継続契約までの一連の流れをSalesforce上で管理できるようになっています。
──CRMやMAは、導入を決めてから実際に活用できるようになるまで非常に時間がかかったという声も多く聞かれますが、御社の場合はいかがでしたか。
細田 確かにそういった声を聞いたり、実際に相談されたりすることもあります。例えば、Salesforceは基本パックとして必要な要素はある程度用意されていますが、「一つ一つのデータがどういった意味を持っているか」、また「それらのデータをどう管理すれば良いのか」、といった部分をすぐに理解するのは難しいと思います。急にSalesforceという大きな箱をドンと渡されても分からないでしょう。実際、当社もそうでした。第一歩は、それまでMicrosoft Excelで管理していたものをSalesforceで管理していくようにしただけでした。そのうち、そこに商談のデータが入力されたり、さらに担当者のデータを追加したり、商談のフェーズによって適したワークフローを組んだりと、自分起点だけでなく現場からもさまざまな要望が出てくるようになりました。それらを実装し続けて今の形になりました。
まずは自分たちがそういったツールを使って何をやりたいか、しっかりと決めておくことが大切だと思いますが、そもそも何ができるか分からないという話もあると思うので、そのへんジレンマですよね。
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