IASがまとめた世界8カ国の業界関係者への意識調査「Industry Pulse 2020」の結果です。
デジタル広告の検証・不正対策ソリューションを提供するIntegral Ad Science(IAS)は、アジア太平洋地域(APAC)4カ国のインターネット広告関係者を対象にした意識調査の結果をまとめた「Industry Pulse 2020」を発表しました。
これによるとAPACではOTT(オーバーザトップ)動画配信サービスの利用者数が増加を続けており、2020年の普及率は地域全体で37%に、日本も19%に達する見込みです。業界関係者らはここに新たなチャンスを見いだし、従来型のTV広告からコネクテッドTV(CTV)とOTTへのシフトが加速すると予測しています。
同調査ではメディア品質の向上も2020年の最優先課題の一つに挙げています。アンケートでは半数以上がビューアビリティ計測とブランドセーフティーとブランド適合性に関する対策の積極的な実施を検討しており、45%がアドフラウド対策を検討していると回答しました。85%が、業界全体でメディア品質のリスクを正確に計測し、的確な対策でリスクを最小化するために、アドベリフィケーションの重要性が高まるだろうと回答しました。
データプライバシーに関する規制強化を受け、再び注目を集めているのがコンテクストターゲティングです。回答者の約8割が、望ましいターゲットに広告を届けるためにコンテクストターゲティングの使用が拡大すると回答しています。
2020年に業界が直面する最も重要な課題に挙げられたのが、インターネット広告の正確な計測とROI評価でした。デジタルシフトに伴い増大するインターネット広告予算がどれくらいビジネスゴールに貢献しているのか、正確なデータと評価方法の確立は多くの業界関係者が模索するところです。
また、半数以上の回答者がソーシャルメディアの透明性を改善すべきだと訴えています。ソーシャルメディア広告キャンペーンにおけるアドフラウドへの懸念も高まっており、アドフラウドの問題が2020年のソーシャルメディア広告費にマイナス影響を与える可能性を指摘した関係者は44%にも上りました。
アドフラウドの一般的な認知は向上しているものの、実態の把握やアドフラウドの手法の理解は進んでいません。回答者のおよそ3割は、自社の標準的な広告キャンペーンまたは広告在庫におけるアドフラウド率は世界平均よりも低いと認識しおり、2割は自社のアドフラウド率が世界平均を上回っているか、下回っているか分からないと回答しています。
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