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» 2019年07月28日 08時00分 公開

顧客の共感を呼ぶSNS活用:ゆうこす流Instagram活用、D2Cでビジネスを始める企業が必ず知っておきたいこと (1/2)

D2CブランドがInstagramを活用すべき理由とその効果的な使い方について、モテクリエイターゆうこす(菅本裕子)さんに学ぶ。

[織茂洋介,ITmedia マーケティング]

 商品の製造から販売まで一気通貫で提供するD2C(Direct to Consumer)のビジネスモデルが注目されている。小規模でもとがった個性を発揮して深く愛されることを目指すブランドにとって、D2Cは最善の答えになり得るからだ。

 中間業者を介さないD2Cには、商品をいち早く提供できるメリットがある。また、余分なコストが載ってこないため高い収益率が期待できる。顧客の側から見ても、コモディティとは異なる特別なものを作り手との直接的なコミュニケーションを通じて入手できるという魅力がある。「この商品のここが好き」「こういうものがほしい」といった声をブランドに直接届けることもできる。そして、その声は商品の改善や新商品の開発にスピーディーに生かされる。

 D2Cがブランドのフィロソフィーや想定する利用シーンなど、俗にいう「世界観」を伝える上で重要になるのがメディア戦略だ。動画や写真などビジュアルを使ってブランドイメージを訴求するとなれば、それに適したプラットフォームを選択するのが自然だ。その観点から、instagramは有力な候補となる。

 フェイスブック ジャパンは2019年6月27日、D2Cに特化した広告主・マーケター向けイベント「Instagram D2C Summit 2019(#IGD2C)」を開催した。このイベントにはモテクリエイターとして活躍するゆうこす(菅本裕子)さんがゲストとして登壇し、ブランドが顧客とつながるためのInstagram活用法と、自ら立ち上げたD2C化粧品ブランドについて語った。

ゆうこす(菅本裕子)さん

Instagramは共感を生み出すプラットフォーム

 ゆうこすさんがInstagram(外部リンク)を開始したのは2016年。2011年にAKB48グループのHKT48の1期生としてデビューしたが、翌年に脱退。HKT48脱退の理由について臆測情報が飛び交うなどネット炎上を経験した。さらに、独立後にイベントを開催してもファンがたった3人しか集まらないなど困難が続き、ゆうこすさんは自分を見つめ直した。その結果、アイドルという「男性向けの商品」の市場で勝負することをやめて「モテる為に生きてる」をモットーに女性のための情報発信で生きていくと決めた。

 ゆうこすさんが主にターゲットとするのは、同世代の「クラスに1人くらいいるような『ぶりっ子』の女性」だ。そうした人たちに向けて仲間作りのつもりでモテるためのメークやファッションコーデなどの情報を発信し続けた。

 SNSでは共感と拡散が直結する。ニッチな世界であればあるほど、分母が少なければ少ないほどファンの熱量は上がり、拡散してくれる可能性が高くなる。1つの投稿で飛躍的に「バズる」ということはほとんどなかったが、共感の和は次第に広がっていった。地道なコミュニケーションの成果として現在、ゆうこすさんのInstagramにおけるフォロワー数は45万近くまで増えており、その他のSNSも全て合わせたフォロワー数は2019年7月現在でのべ150万を超えている。

 もちろん、ファンの熱量にも幅がある。取りあえずフォローしているだけの人もいれば、毎回コメントをくれる人もいる。イベントに来てくれるファンもいる。そこで、ゆうこすさんはレベルの違うファンそれぞれに居心地のいい場所を提供できるよう、InstagramをはじめYouTubeやTwitter、ライブ配信などを、特徴に合わせて使い分けている。

「インスタ映え」より「タグ映え」を意識する

 各種のSNSの中でもInstagramは情報発信とコミュニケーションの場と位置付けている。インフルエンサーはファンがいてこそ成り立つ。コンテンツを通じて興味を持っててもらっても、ただ見られているだけではコミュニケーションが深まらない。

 ゆうこすさんはInstagramで単に一枚一枚写真をアップするだけでなく、長文のテキストでしっかりと思いを伝えている。また、文章の末尾を疑問形にして、コメントを残したい空気を作るよう工夫している。コアなファンとリアルタイムでさらに深いコミュニケーションを取るために、Instagramストーリーズのライブ配信機能もフル活用している。

 Instagramでエンゲージメント(いいね!やコメント)を獲得するポイントとして、ゆうこすさんが最も重視するのがハッシュタグだ。

 昨今では情報検索の手段としてInstagramのハッシュタグ検索を利用する人が増えているといわれる。検索結果に並んだサムネイル画像から気になるものをタップして、ビジュアルを軸に欲しい情報にたどり着くのだ。

 この動線に最適化した情報発信をする上では、ハッシュタグの付け方もさることなが検索結果に表示されたときに自分の投稿をいかに目立たせるかを考える必要がある。例えば「赤リップ」で検索したときに引きの写真が出てくるよりも、くちびるのアップで実際に口紅を塗っている写真の方が見たくなるものだ。そこで、サムネイルとして表示される1枚目にはハッシュタグに合った写真を、2枚目には商品写真、3枚目にハウツー動画といったように、1投稿の中でのコンテンツの表示順にも気を配っている。

 「『インスタ映え』というよりも『タグ映え』」とゆうこすさんは語る。

エンゲージメントを高める実践的な方法について、ゆうこすさんの分かりやすい解説《クリックで拡大》
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