ライブコマースで成功を収めるための条件とは何か。そもそも何をもって成功とするのか。最前線で活躍するプレイヤーが語り合った。
日本におけるライブコマース市場の発展に向けて組織されたライブコマース推進委員会は、 2018年12月7日に「Live Commerce Show 2018 Vol.02」を開催した。本稿では同委員会加盟社から、Candee上席執行役の鍛治良紀氏、STARP代表取締役の渡邊裕馬氏、メルカリ 事業開発部の石川 佑氏、BASE執行役員の神宮司 誠仁氏が登壇したパネルディスカッションの模様をお届けする。
次世代のEC手法としてライブコマースが注目を集めている。ビジネス側、あるいはマーケティング支援事業者の立場で既に取り組みを進める登壇各社は、この市場の現状をどう捉え、どのような将来展望を描いているのだろうか。
メルカリは、2017年7月に出品者がライブ配信できるライブフリマ機能「メルカリチャンネル」を提供開始している。フリマアプリでC2C(個人間取引)市場を一気に拡大した同社だが、ライブコマースにおいては企業など法人の利用も積極的に推進している(関連記事:「メルカリのライブコマース、法人利用における3つのメリット」)メルカリチャンネルの法人開放を担当する石川氏はライブコマースの現状について「メディアの取材も多く認知度は高まっているが実際の利用はまだ少ない。配信してくれる人がほとんどいない」と課題を挙げる。
これに対し、「配信者はいるが紹介する商品がない、売りたい商品はあるが配信者がいないという両方のケースがある」と、語るのがSTARPの渡邊氏だ。STARPでは、ライブコマースに必要なCMSのパッケージ化にいち早く取り組み、2017年8月に「Livekit」の提供を開始している。豊富な経験を基に事業会社のライブコマース導入をサポートし、導入相談を受けることも多い渡邊氏はいずれのケースにおいても「ライブ配信は回数を重ねないとものが売れない。配信回数を増やすことが目下の課題だ」と語る。配信者と商品のいずれが不足しているにせよ、ライブコマースをやったことのない企業が最初の一歩を踏み出すのはとてもハードルが高い。まずはこの状況を打開し、トライアルの機会を増やして知見を積み重ねることが、多くの企業に共通した課題のようだ。
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