この連載もいよいよ最終回。「広告」「引き上げCRM」「継続CRM」と続くリピートビジネスのコミュニケーションを自動化することが容易になってきた最近の状況変化について解説します。
これまで、広告による顧客の新規獲得と引き上げCRMによるリピート化、さらには継続CRMによるリピート定着をそれぞれ分けてお話してきました。どれもリピートビジネスのコミュニケーションには欠かせない要素です。
事業の実務を遂行する中では、それぞれの段階においてコミュニケーションの内容、タイミング、形式などをより効果的で効率的なものに改善するため、PDCAサイクルを回し続けることになります。ある程度PDCAをこなすと、それぞれの内容は顧客が理解しやすく、理解できる粒度に整理されてくるでしょう。そしてそこには、望ましいタイミングを踏まえて最適なコミュニケーションを実現するための、個別単独で連続したフローが見えてきます。特に広告から引き上げCRMのステップは、より一体化されたシナリオに洗練されているはずです。
それらのコミュニケーションの発信管理は、ほとんどが個別に手作業で行われていることが多いかと思います。特にオフライン施策では、まだまだアナログな部分も残っているのではないでしょうか。
しかし、オンライン施策はもとよりオフライン施策の実施管理においても、近年は自動化が強力に推し進められています。その原動力となっているのが、マーケティングオートメーション(MA)です。
オンライン施策ではこれまでにも、新規購入者に対してステップメール(購入日起算などで決められたタイミングに行う、複数の販促メール)の発信だけは自動化が浸透していました。それがMAの登場によって、単なるメール発信管理だけにとどまらず、主流な通信手段として定着しているLINEやFacebookなどのSNSとも自在な連携が可能になってきました。他にも、携帯電話への通話、ショートメッセージ(SMS)、さらには固定電話やファクスといった従来型のチャネルでの発信までも連携管理できるようになっており、コミュニケーションの自由度は格段に上がっています。このソリューションをしっかりと使いこなすことで、顧客の製品理解度に合った、細かなコミュニケーション設計が可能になるのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.