中里:最後の写真がコレです。20代の女性会社員は駅で消費する気分として、この写真を選ばれました。
土肥:夕日をバックに枯れススキですか……。うう……買い物の気分というのは、基本的に“楽しい”ものですよね。でもこの写真からは“寂しさ”しか感じられません。彼女は仕事で疲れているんですかねえ。
中里:いや、そうではないんです。この写真を選ばれた女性に話を聞いたところ「日常の中の小さな幸せを駅で感じたい」と答えてくれました。今風で言えば「プチ贅沢」といったところでしょうか。言い方を変えれば「ご褒美」ですね。特に金曜日は、駅で自分へのご褒美を探している人が多く、駅のコンビニではプレミアムビールがよく売れるそうです。これを私たちは「ご褒美系」と名づけました。
土肥:駅で買い物をしている女性に「いま、ご褒美を探されていますか?」と聞けば、かなりの確率で「はい」という答えが返ってきそうですね。
中里:駅で買い物をする理由を聞いたところ「がんばった自分にご褒美をあげたくて」と答えた女性は52.3%もいました。駅または駅周辺で買い物をする際の心理をまとめると「気分転換をしたくて(スイッチ系)」と答えた人が最も多く、次いで「何か面白いことがあるかもしれない(出会い系)」「ささやかな幸せをかんじたくて(ご褒美系)」という結果でした。
土肥:駅消費研究センターでは“移動者”のことを分析されてきたわけですが、実際にその知見を活用されたことはあるのでしょうか?
中里:ありますね。では鉄道の中での成功事例をご紹介しましょう。
(つづく)
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