今そこにあるAIの危機 大統領選を控えて米国の消費者の94%が不安に感じていることとは?フェイクニュースの脅威

2024年米国大統領選挙を前に、インターネット上での誤情報の脅威について、消費者の考え方が見えてきた。

» 2024年09月26日 05時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 Adobeが公開した「AI時代の信頼性に関する調査」の結果から、2024年米大統領選挙を前に、米国の消費者がAIに関して抱いている不安が浮き彫りになった。同調査はAdobeが調査会社Advanisの協力の下で2024年8月に実施したもので、18歳以上の米国の消費者2002人からの回答を収集した。

94%の人がAIについて心配していること

 米大統領選挙に向けて、94%の人が誤情報の拡散が選挙に影響を与えることを懸念している。また、ディープフェイクの懸念がメディアの見出しを飾る中、85%の回答者が「過去3カ月間に選挙関連の誤情報が増加した」と感じている。

 過去3カ月で選挙関連の誤情報に惑わされたり信じてしまったりしたことがある回答者は半数近い44%に上った。43%が「オンライン上の選挙コンテンツを信頼しにくくなっている」と回答していることから、Adobeは「オンラインで何が真実か」を見極めるために、ツールの活用が必要であることが浮き彫りになったと述べている。また、83%の回答者が、米国大統領選挙に対する外国からの干渉の脅威を懸念している。

 AIで作成されたコンテンツの増加に伴い、デジタルコンテンツ全体への信頼が低下している。87%の回答者が「生成AIの台頭でオンライン上のコンテンツが事実かフィクションか見分けるのが難しくなった」と感じており、約4分の3に相当する74%の人が「信頼性があるニュースサイトであっても、その写真やビデオの信頼性を疑ったことがある」と述べた。コンテンツの真偽を見分けるのが難くなったことで、93%の消費者は「デジタルコンテンツがどのように作成または編集されたかを理解することが重要だ」と考えている。

 消費者が誤情報に対する強固な対策を求めていることも見えてきた。90%の回答者が「世界的な主要ニュースや危機が起こった際に、オンラインコンテンツに帰属情報が付与されること」を望んでいる。「選挙関連のコンテンツに帰属情報が付与されることが重要であり、自分で情報が正しいか確認するのに役立つ」と述べた人は95%に上った。

デジタルコンテンツに対する信頼性を高めるためにはオンラインで確認可能なラベルとして機能する帰属情報が付与されることが望まれている(画像提供:アドビ)

 誤情報の多さから特定のソーシャルメディアの使用を減らしたり停止したりしたのは48%と半数近くで、2024年3月に比べて23%増加した。89%の回答者が「誤情報を防ぐための厳格な措置をソーシャルメディア運営企業が講じるべきだ」と考えている。「政府の公式Webサイトのデジタルコンテンツに帰属情報を付与すること」を支持する人も69%に上った。

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