インタラクティブなコンテンツをWebサイト運営に生かしたいけれどやり方がわからない人のために、インタラクティブコンテンツをSEO対策につなげるコツをわかりやすく解説します。
インタラクティブコンテンツとは、ユーザーの反応に応じて変化する双方向性があるWebコンテンツのことです。Webサイトやアプリ、SNSで広く利用され、クイズやアンケートなどが典型的な例です。ユーザーがただ情報を受け取るだけではないため、回答の内容や理解度によって次に出す情報を変えることができます。
今回は、インタラクティブコンテンツについて理解し、SEO対策に生かすためのコツをお伝えします。
インタラクティブコンテンツはユーザーエンゲージメントを高め、記憶に残りやすい体験となります。また、ユーザーの選択や反応を追跡することで行動や好みに関する貴重なデータを収集し、マーケティング戦略の改善やパーソナライズされたコンテンツ提供に役立てられます。結果として、インタラクティブコンテンツはオンラインでのコミュニケーションやブランディング戦略において重要な役割を果たしているのです。
まずはインタラクティブコンテンツの例を具体的に5つ紹介します。
クイズはユーザーが質問に答えるという動作を必要とするため、インタラクティブなコンテンツの代表例といえます。パーソナリティ診断や知識テストなど、ユーザーの興味や関心に応じた質問を提供すると反応がよくなります。クイズで十分な興味を引ければ、ユーザーエンゲージメントを高め、Webサイトの滞在時間が長くなるのもメリットです。また、結果を共有することで、SNSでの拡散も期待できます。
アンケートは、ユーザーの意見やフィードバックを収集するための基本的なコンテンツです。満足度調査やニーズ分析などに使用されます。ユーザーの考えや要望を直接把握できるため、サービスや製品の改善に役立ちます。ユーザー参加型のコンテンツとして、エンゲージメントの向上も狙えます。
動画内にボタンやメニューを設置すれば、ユーザーが見たい情報を自主的に選択できます。見たい内容の部分を選んでジャンプしたり、リンクから詳しい情報に飛べたりといった仕組みを作ることも可能です。ユーザーは動画を見て購買意欲が高まった状態のまま購入ページへ移動できるため、コンバージョン率の向上も期待できます。
指示に従って数字を入力するだけで、自動的に合計金額を出したり、見積もりを出したりしてくれる機能のことです。ローン支払い額の計算、保険商品の見直し、資産運用など、さまざまなWebサイトで利用されています。購入・契約に直結しやすい、重要なインタラクティブコンテンツといえます。
チャットbotはユーザーとの対話を自動化するツールで、24時間対応のカスタマーサポートとしてよく使用されます。リアルタイムでユーザーの質問に対応可能で、素早く問題解決ができるのが強みです。顧客がサービスを利用しやすい基盤が整うため、Webサイトの信頼性も高まります。
インタラクティブコンテンツを取り入れれば必ず順位が上がるとは言えませんが、SEO対策に効果があると期待できます。以下にその理由を紹介します。
インタラクティブコンテンツの最大の利点とも言えるのが、ユーザーエンゲージメントの向上につながる点です。ユーザーがコンテンツに積極的に関与することで滞在時間が延び、直帰率が低下します。Googleのアルゴリズムでもこれらのエンゲージメント指標を評価しているため、ユーザーが長く滞在するWebサイトはSEO的にも評価されやすいといえます。
インタラクティブコンテンツはユーザーにとっても親しみやすいものですので、魅力的で共有しやすい傾向があります。これによりSNSでのシェアが増えれば、Webサイトへのトラフィックが増加し、結果的に検索エンジンからの評価にもつながります。特にSNSでの拡散が多いコンテンツは、外部リンクを獲得する機会も増え、これがSEOにおける重要な要素になるのです。
Webサイト内のコンテンツといえば文章での情報提供が基本となりますが、単なるテキストコンテンツに比べてリッチなユーザー体験を提供しやすくなります。動画、音声、アニメーションなどのマルチメディア要素を含むコンテンツは、検索エンジンにとって価値のある情報として評価されやすいです。ユーザー目線でもそのWebサイト独自の要素として評価されやすいため、競合サイトとの差別化も図りやすいと言えます。
インタラクティブなやり取りを通じて、ユーザーの行動や嗜好に関するデータを収集できます。ここで得られたデータを分析することで、ユーザーがどのような情報を求めているかを把握し、よりターゲットに合ったコンテンツの提供が可能です。
実際にインタラクティブコンテンツをSEO対策につなげるためには、どのような戦略が必要なのでしょうか。扱うコンテンツによっても特徴が変わってきますので、コンテンツごとに例をいくつか紹介します。
クイズはユーザーエンゲージメントを高めるための強力なツールです。クイズを作成する際は、自社サイトで扱っているジャンルとどのようにひも付けるかを考えていきます。
よくあるクイズサイトは漢字や一般常識関係、雑学などを扱っています。しかし、これらの内容では企業のビジネスとは一致しないことが多いでしょう。そんなときは、下記のような内容で取り入れてみてください。
このような意識でクイズを作成すれば、どの業界のメディアでも対応しやすくなります。もちろんターゲットとするキーワードをしっかりとリサーチし、そのキーワードを盛り込みながらクイズにするとSEOにも効果的といえます。クイズを定期的に更新し新しいトピックに対応することでリピーターを増やし、Webサイトの新鮮さを保つことも重要です。
アンケートは、ユーザーの意見を収集してWebサイトの改善に役立てるだけでなく、多くの回答を集めることでWebサイトの活性化にもつながります。
実際にアンケートを行いたいときは、以下のようにどのような情報を得たいのかを明確にしましょう。
しかし、ユーザーにとってアンケートに回答してもらうことは手間がかかります。だからこそ、回答することで得られるメリットも提示できれば最適です。
よくある例としては「アンケートに回答すると割引のクーポン券プレゼント」というものです。レビューを集める方法としてよく用いられますが、これはアンケートでも同様だと考えましょう。
チャットbotはユーザーとのリアルタイムな対話を可能にするツールで、AI技術の発展に伴い多くの企業サイトが導入しています。チャットbotの導入でSEOの効果を伸ばしやすい部分は、ユーザーエクスペリエンスの向上とCV(コンバージョン)率に関する部分です。
当然ながらチャットbotを使用しているユーザーは以下のような悩みを持っています。
このような問題が発生している場合、すぐに対応が必要です。チャットbotを導入しておけば、人件費をかけずに問題解消を図れます。また、ここでのやりとりの内容からWebサイトの改善策点を見つけ出し、Webサイトの改善にもつなげられるのです。ユーザーのリアルな声が届きやすいので、アンケートと同様に貴重な情報源になります。
インタラクティブコンテンツは企業側からの一方的なマーケティングになりにくく、顧客との接点を多く保てるのが魅力です。少しの工夫でSEO対策にも生かせるため、より競合と差別化をしたい方は検討してみてください。
谷川祐一
たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(シニアマネージャー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げを行う。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。
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