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» 2020年07月22日 18時00分 公開

越境EC成功の鍵はライブコマース:訪日インバウンド需要が“蒸発”したコロナ後、中国の消費者の心をつかむには? (1/2)

中国最大手のECコンテンツマーケティング支援企業であるMoli Mediaが日本市場に進出。同社の強みと中国向け越境ECの可能性についてキーパーソンが語った。

[織茂洋介,ITmedia マーケティング]

 中国のEC市場が一年の中で最も活性化する日といえば、W11(独身の日)として知られる11月11日だ。この日に一大セールを実施して独身者の購買を促すという企画は、もともとAlibaba Group(阿里巴巴集団)が運営するオンラインショッピングモール「Tmall(天猫)」の仕掛けによるものだった。

 そのTmallのトップパートナーでありW11において売り上げ150億円以上の企業の5割を支援するのが、ECコンテンツマーケティング支援企業のMoli Mediaだ。コンテンツ戦略の策定からクリエイティブ制作、PDCA管理、ROI検証までワンストップでサービスを提供する同社は2020年6月、日本でインタラクティブマーケティング支援を手掛けるイーライフと業務提携を締結。日本企業の中国向け越境EC支援事業を本格的に始動した。

 Moli Mediaの強みはライブコマース、つまり動画コンテンツの生配信を通じてモノを売るノウハウだ。この新たな商流は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大で「蒸発」してしまったクロスボーダーの経済活動を再び回す上で、重要な鍵になる。のみならず国内のビジネスにおいても、ライブコマースはコロナ後に取り組むべきテーマの一つとなるかもしれない。

 本稿では、イーライフが主催した記者発表会におけるMoli Media共同創業者兼CMOのデン・シャオジン氏のプレゼンテーションを基に、同社のユニークなビジネスモデルと現在の中国のECトレンド、今後の中国向け越境ECの展望について考察する。

Moli Media共同創業者兼CMOのデン・シャオジン氏

ECコンテンツマーケティングで成長するMoli Mediaの4つの強み

 「統合型ECコンテンツマーケティング」を掲げるMoli Mediaは2016年に中国・広州で創業。デン氏は前職のJD.com(京東集団)でO2Oビジネスに関わっていたという。Moli Mediaのコアコンピタンスとしてデン氏は以下の4つを挙げた。

1. 5つの独自データ戦略システム

 企業とKOL(インフルエンサー)のマッチング、出稿した広告コンテンツの管理、コンテンツへのアクセス状況のモニタリングを実施して、商材の特徴や顧客を正確に分析して最適なコンテンツプランを策定する。また、KOLやエージェンシー側の管理ツール、コンテンツ作成支援ツールも整えている。

5つのデータ戦略システム

2. 業界で最も多いKOLを保有

 Moli Mediaのビジネスの核となるのは「MCN」と呼ばれるKOLのネットワークだ。提携KOLは4万人。Tmallの他にもJD.comの「Jingdong(京東)」やByteDanceの「Douyin(抖音)」、Xingin Information Technologyの「Xiaohongshu(小紅書:RED)」など、9大デジタルメディアの公式認証パートナーに認定されている。

3. 豊富なカスタマーサービスのスキル

 ファッション、コスメ、赤ちゃん用品など、さまざまな業界で実績が豊富。同社の顧客リストにはProcter & Gamble(P&G)、Unilever、Estee Lauder Companiesなど3000社以上の名だたるブランドが並ぶ。

4. 業界で認められた専門性

 ECコンテンツマーケティングの普及やKOL育成に注力。MoliMedia幹部は業界での信頼も厚く、オピニオンリーダーとして存在感を発揮している。

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