進化するSalesTechの中でも特に注目されている「セールスイネーブルメント」について解説します。
近年、ビジネスにおいてデジタルテクノロジーを活用するシーンが多くなってきています。FinTech(金融テクノロジー)やEdTech(教育テクノロジー)、AdTech(広告テクノロジー)にMarTech(マーケティングテクノロジー)と○○Techという言葉を耳にする機会も増えているのではないでしょうか。
営業の現場においてもここ数年でSalesTech(営業テクノロジー)という言葉がよく使われるようになりました。SalesTechが注目され始めた背景には、大きく2つの要因があると考えられています。
1つ目が、営業活動におけるリソース不足です。少子化による労働人口の減少や働き方改革による労働時間の短縮により、営業パーソンはより短時間で成果を上げることが求められています。これまでの企業は営業人員を増やして「数」で勝負する営業スタイルが主流でしたが、これからはより効率的な営業活動が求められます。そこで、人間にしかできない業務を営業担当が、ITで解決できる業務はITツールに任せるという流れが進んだわけです。
2つ目が、営業支援ツールのモバイル化です。これまでもSFA/CRMなどの営業支援ツールは存在していましたが、それらのツールは営業担当が「正確に」数字を入力していることを前提として成り立つものです。そのため、外出が多く忙しい人が多い営業現場では情報のアップデートが遅くなってしまうなど、なかなか定着しませんでした。しかし、モバイル端末の普及により、外出先でも活用できる営業支援ツールが増えてきました。忙しい営業パーソンでも簡単に入力ができるようになったことで、ほぼリアルタイムにお客さま情報を更新し、分析用のデータを蓄積できるようになったのです。営業支援ツールの運用が軌道に乗ったことで、できることややりたいことも増えてきます。つまり、SalesTechを活用する余地が広がっているのです。
各企業の資金調達状況や業界レポートをVC(ベンチャーキャピタル)や事業会社向けに提供しているCB Insightsが公開したカオスマップを見ると、海外では既に数多くのSalesTech企業が存在していることが分かります。
このカオスマップによると、SalesTechは次の7つの領域に大別されています。
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