「結婚できないひと」が一般公募部門グランプリ、オンライン動画コンテスト「BOVA」贈賞式開催広告主部門グランプリはひよこちゃん大暴れのあの自治体PR動画(1/2 ページ)

オンライン動画クリエイティブの最前線は今どうなっているのか。

» 2019年04月13日 13時00分 公開
[織茂洋介ITmedia マーケティング]

 宣伝会議は2019年4月11日、第6回「Brain Online Video Award(以下、BOVA)」の贈賞式を開催した。これは、同社が発行する広告・クリエイティブの専門誌である月刊『ブレーン』が2013年から主催するオンライン動画のアワードで、若手クリエイターの登竜門といえるイベントだ。

 表彰は「広告主部門」と「一般公募部門」の2部門を対象に行われた。広告主部門は2018年1月1日から2018年12月31日までに公開された企業・団体のオンライン動画を対象に選出。一般公募部門は、協賛企業から出された課題に対して解決策となる動画(3分以内)を個人またはグループから募集し、今回は2部門で計27点の入賞作品を選出した。

贈賞式 贈賞式の模様

広告主部門グランプリは「池田の大決闘『ひよこちゃん vsウォンバット』」

 広告主部門のグランプリは、大阪府池田市が市制施行80周年記念作品として制作した「池田の大決闘『ひよこちゃん vsウォンバット』」が受賞した。1999年に「カップヌードルミュージアム 大阪池田」を開設した池田市は、日清食品創業者の安藤百福氏が世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明した場所として知られる。そうした縁から2016年にチキンラーメンのキャラクターである「ひよこちゃん」を池田市の観光大使に起用しているが、作品ではなぜか巨大化したひよこちゃんが大暴れし、こちらも巨大化したウォンバット(池田市の五月山動物園で飼育され、市のシンボルにもなっている)と戦う。高度なCGや特撮は一切使わずアニメーションと漫画(劇画)を用いて、ひよこちゃんが池田市の名所を破壊するたびに一つ一つその宣伝をするという斬新な手法が高く評価された。

一般公募部門グランプリは「結婚できないひと」

 一般公募部門でグランプリに輝いた作品は「結婚できないひと」。「JUNO」「FIORE BIANCA」などのブランドでウエディングドレスショップを展開する渕上ファインズ(Dress the Life)が提示した「すべての女性がウエディングドレスを着たくなる動画」という課題に対するアンサーとなる作品だ。

 「すべての」というところがポイントで、多様な性の在り方への理解が進む中でブライダル事業を営むブランドが発信する毅然としたメッセージは、視聴した人が広告と理解してなお共感を抱くことのできるものになっている。受賞者は電通の田端都望氏と大日の八鍬 研氏、映画監督のヤングポール氏。

一般公募部門グランプリ「結婚できないひと」
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