2019年のモバイルはどうなるのか。ドイツ発のモバイルアプリ計測プラットフォームを展開するAdjust日本法人のカントリーマネージャーが解説する。
モバイルマーケティング業界にとって、2019年は「進化」する年になりそうです。Adjustは、2018年にモバイル業界で話題となったトレンドの多くが、引き続き注目されるだろうと予測しています。
2019年は、モバイルに費やす時間がテレビをはじめとする他のメディアの利用時間を圧倒し、その広告費もまた急成長を遂げる年になります。これが広告業界にどんな影響を与えるか、さらに新しい1年に向けて、どんなことが予想されるのか見てみましょう。
モバイルというチャネルが、消費者にリーチする最も効果的な手段となるに従って、脇役から主役のメディアとして躍り出ます。
モバイルは企業がユーザーと直接コミュニケーションを図るための手段となり、これまでモバイル広告をあまり重要視していなかった企業ブランドも、モバイルを優先することでマーケティングの実績を上げています。
こうしたことから、2019年は、伝統的な企業さえもお客さまとのコミュニケーションを再優先に考える風潮へと大胆に移行すると予測しています。お客さまに効果的にリーチできる重要なタッチポイントとして、モバイルが屋外広告やダイレクトメール、あるいはメールに取って代わる媒体となるでしょう。
モバイル分析の観点から言うと、マーケターはますます大量のデータを手にすることになります。しかし、データ分析のためのツールやプラットフォーム、ダッシュボードが増えるにつれ、過剰なデータを持つこと自体が負担になってきます。
データの照合から基本的なパブリッシャーIDの確認にわたる作業など、いくつものツールやダッシュボードを操作するには、非常に多くの時間を要するのが現状です。よって、企業のモバイルマーケティングチームは、クリエイティブの最適化や新しいキャンペーン施策など、データに基づく課題解決に向き合う時間がない状態に陥っています。
データの一元化を可能にするツールを構築することは、効率性を向上させるために重要です。ユーザー獲得担当者を支援する効率的なツールが登場することで、マーケティング担当者は複数のダッシュボードやデータに振り回される時間を減らせることが期待されます。こうしたタスクを自動化することで、担当者は一元化されたデータを基にマーケティング戦略の最適化に集中できるようになります。
ここで誤解してはならないのは、自動化によってモバイルマーケティングの仕事が奪われるということではなく、担当者の仕事がさらに進展するということです。結局のところ、機械はいかに複雑な計算ができても、データ結果を基に巧みで創造的なアイデアを生み出す能力においては、人間の方がはるかに優れているのです。
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