小さく始めるHubSpot、マーケティングの流れにそってバランス良く施策を実践しようHubSpotと「マーケティングの民主化」(1/2 ページ)

HubSpotで始めるマーケティング。最初の一歩はここから始めましょう。

» 2018年08月16日 06時00分 公開
[草皆直人24-7]

 前回「中小企業よ、マーケティングオートメーションを恐れるな」でもお伝えしたように、HubSpotのような安価で使いやすいマーケティングオートメーション(以下、MA)ツールが登場したことによって、中小企業であっても大企業と同じような本格的なデジタルマーケティングを実現できる環境が整ってきました。

 根性と体力だけを武器にアウトバウンドコールに過剰な時間を費やしたり、あるいは逆に既存のお客さまからの引き合いをただ待つだけだったりといった、非効率で生産性の低いセールス活動から脱出できるチャンスが訪れたのです。

 とはいえ、MAツールを導入しさえすれば全てがうまく回りだすというわけではありません。肝心なのはツールを使って何をしたいのか。例えば成約確度の高いリード(見込み客)の獲得が目的というのであれば、そのためのプロセスをどう設計し、そこにツールをどう活用するのかを考えなければいけません。

顧客化までの流れとHubSpotの活用

 集客から顧客獲得までのマーケティング活動は、以下のステップに分かれます。この図を見て、自社のマーケティングを考えてみてください。あなたの会社はどのステップの施策が多いでしょうか。バランス良く施策を行えているでしょうか。

集客から顧客獲得までのステップ 集客から顧客獲得までのステップ《クリックで拡大》

 バランスを意識しないと、ついつい集客や獲得の施策が厚くなりがちですが、各ステップの施策に厚みを持たせる前に、まずは集客から営業まで一通りの施策を実施してみることが重要です。

 例えば「リードが増えた割に問い合わせにつながらない、顧客化できていない」といった話をよく聞きますが、その場合は選別・接触ステップの施策が十分ではないケースが多いようです。まずは、それぞれのステップを縦に厚くするのではなく、薄くでいいので、横にステップをつなげていくことを心掛けてみてください。そうすると、顧客化までの流れにおける各ステップの成果を追えるようになります。

まずはフォーム改善から始めよう

 HubSpotを導入して何から始めればいいのか。迷ったら、まずはフォーム付きのページをHubSpotに移行するところから始めましょう。問い合わせや資料ダウンロードなど、フォーム付きのページを自社のサイトにお持ちの企業は多いと思います。このフォームをHubSpotに移行するのです。HubSpotを使ったフォームの作成は簡単で、各要素をドラッグ&ドロップで入れ替えるなど、特別な知識がなくても直感的に操作することができます。項目の追加や変更も簡単にできます。

フォーム作成 HubSpotのフォーム作成機能《クリックで拡大》

 HubSpotのフォームを導入することで、そこから入手したリードについて、流入元(検索、SNS、外部サイトなど)、お問い合わせ前後に閲覧したページ、滞在時間など、ユーザーの動きを可視化できます。「コンタクトアクティビティ」という機能で、問い合わせをしてきたユーザーの動きを1件ごとに見られるので、その後の対応にも役立ちますし、どういったコンテンツを見てもらうと問い合わせにつながるのか、分析するのにも役立ちます。

ユーザーの動きを可視化 HubSpotのフォームを導入することでユーザーの動きが可視化される《クリックで拡大》

ホットなリードの選別につながるフォームを作る

 リソースを無駄にしないためには、獲得したリードがホットかコールドか、選別の作業が重要です。そのためには、問い合わせなどで情報を入力された時点で、関心度を判別できるような設問を設計するのがよいでしょう。

 何をもってホットな状態にあると定義するかは、提供しているサービスやプロダクトによっても異なりますが、以下の設問である程度の温度感は判別できます。

  • 導入時期:至急〜3カ月以内、半年以内、1年以内、3年以内、未定などと用意された選択肢に対して「至急〜3カ月以内」を選んだ人であれば、すぐにでも連絡して商談化すべき見込み客です。一方で「未定」を選ぶのは、まだ情報収集の段階や、売り込み営業などで問い合わせをしてきている人が多いので対応のプライオリティは、他と比較すると低くなります。
  • 業種と部門、役職:販売しているサービスやプロダクトによって、どんな業種、部門の人が見込み客になるか変わってきます。例えば、経理システムであれば、経理部の人からの問い合わせは有効です。IT部門が選定をしている場合もあります。筆者の所属する24-7自身の場合でいえば、決裁権のある方からのお問い合わせが顧客化しやすいという傾向があるので、役職に注目しています。
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