日本のインターネットカルチャーの中で脈々と生き続ける「エイプリルフール」。ユニークなアイデアの中に「最先端」が垣間見られる各社の楽しい「ウソ」をピックアップ。
アイティメディアの専用メーリングリストには、主に事業会社の広報部門やPR会社から、日々膨大なプレスリリースが寄せられています。それが機能不全(?)になるのが4月1日、エイプリルフールの今日です。ITmedia マーケティングが守備範囲とする「マーケ×IT」周辺の各社からも、さまざまな「フェイクニュース」面白リリースが届いています。以下に紹介してみましょう。
文末で紹介した関連リンクは期間限定公開である場合があります。
売れるネット広告社は“ハワイ支社”を設立し、“支社長”を募集すると発表しました。同社では2017年2月に社員旅行を装いハワイを視察。プール付きリゾートホテル風のオフィスを初めての海外拠点とすることに決めたものです。支社長のポストは現在、代表取締役社長の加藤公一レオ氏が兼任しているものの、行ったきり帰ってこないのが困るので専任者を募集するとのこと。就業時間は自由で週休4日制。報酬は推定で年俸5億円という破格の待遇が目を引きます。時価総額9億円のオフィスの2階以上は私物化可能と、福利厚生も充実しているようです。
リターゲティング広告のAdRollは2017年4月1日より、世界初の紙媒体におけるリターゲティングサービスの提供を開始すると発表。これまでインターネット広告でのみ可能だったリターゲティングを新聞や雑誌でも実現するシステムの開発に成功したとのことです。「PaperRoll(ペイパーロール)」と名付けられた同サービスは、消費者が興味を持った商品やそれ以前の行動から、その消費者が閲覧する新聞や雑誌の広告枠に自動で広告を表示する他、店舗やカタログなどで広告主の情報に接触したことがある消費者に対して、そこで閲覧した商品、または今後関心を持つことが予想される商品の広告を表示可能にするもの。これにより広告主は、高齢者などインターネット以外のメディアに触れる時間が長い世代の消費者に対しても、個人の関心に応じた広告を紙媒体上でタイムリーに表示できるようになり、購買行動などのコンバージョンにつながりやすい広告効果を期待できる……のだそうです。
SK planet Japanは、同社が運営するソーシャルギフトサービス「cotoco(コトコ)」において、テレパシーでギフトを送信できる新サービス「t-Gift」を提供開始しました。cotocoはLINEやFacebook、メールを使ってURLを送信するだけで手軽にギフトを贈れるのが魅力ですが、「URLの送信すら面倒くさい」といった要望に応える形で今回、テレパシーの活用に踏み切ったということです。利用方法は、Webサイトの専用画面「TGI(Telepathy-Gift-Interface)」で、ギフトを贈りたい相手と贈りたいギフトのことを念じるだけ。ギフトイメージを受け取った相手は加盟店舗を訪れ、専用端末「TGD(Telepathy-Gift-Device)」に送念することで、その場で商品・サービスを受け取ることができます。
アイリッジは、スマートフォン向け位置情報連動型O2Oソリューション「popinfo」にイケメンビッグデータを活用したレコメンド機能を搭載した「popinfoイケメンGO」を追加しました。これはイケメンが大気中に放出するとされている「アレロケミカルI型フェロモン」をスマートフォンで検知し、プッシュ通知でお知らせするもの。スマートフォンアプリに組み込むことで機能する業界初の位置情報連動型プッシュ通知となります。イケメンビッグデータをAIが解析し、イケメンマッチング精度が高いのが特徴で、好みのタイプや属性設定も可能。また、ブロックチェーン技術を活用することで、収集したイケメン情報をリスト化、分散型台帳で共有でき、「俺もイケメンだ」という悪意の非イケメンによる情報改ざんが行われる心配もないそうです。
インサイドセールスを活用してリードと商談の創出を支援するクラウドサービス「SALES BASE」を提供するWEIC(ウェイク)は、日本だけではなく世界的にサービスを提供するために、月面に新型SALES BASEを建設すると発表しました。 SALES BASEは現在、東京都中央区晴海を拠点に展開していますが、このエリアは東京オリンピックの開催に伴い、 周辺に選手村となる高層マンションが林立して電波状況の悪化が予想されることから、 月面に新BASEを建設し、衛星通信網の利用に踏み切るとのことです。新BASE完成後は全言語(約6900種類)に対応予定。完成は2050年、総工事費は20兆411億2500万円の見込み。「世界中の営業活動を活性化してまいります」との意気込みは、本物っぽいです。
ゆめみは、ビッグデータを基に独自のAI技術でさまざまなもの同士の「相関関係」を多角的に把握することが可能な「AI Technology Relational Marketing Engine」を開発したと発表しました。専用サイトに2つのキーワードを入れることで、どんなことでも、これまで気付き得なかった相関関係が明らかになるとのことです。
なお「これのどこがエイプリルフールネタなのか分からない」という方は、ふだんのレポーティングのレベルが見透かされてしまう恐れがありますので、ここはただ黙って笑っておくのが吉かもしれません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.