Facebookの成長に日本市場が果たす役割――フェイスブックジャパン代表取締役 長谷川 晋氏が語る2017年の事業戦略説明会を開催(1/2 ページ)

フェイスブック ジャパンは2017年2月15日、同社の東京オフィスにおいて、プレス向け説明会を開催した。本稿では代表取締役 長谷川 晋氏によるプレゼンテーションの概略を紹介する。

» 2017年02月18日 07時00分 公開
[織茂洋介ITmedia マーケティング]

 フェイスブック ジャパンは2017年2月15日、同社の東京オフィスにおいて、プレス向け説明会を開催した。本稿では、「グローバルと日本のトレンド」「2016年の振り返り」「今後の戦略」の3つのパートからなる、代表取締役 長谷川 晋氏のプレゼンテーションの概略を紹介する。


Facebookが読む世界と日本のトレンド

フェイスブック ジャパン 代表取締役 長谷川 晋氏

 長谷川氏は、モバイルが相変わらず重要であるという認識を示した上で「数年前から『モバイルシフト』といわれてきたが、感覚的にはモバイルシフトはもう起こり終わっている。モバイルがインフラとして定着し終わったというだけでなく、メディアに対する接触時間でもデジタルの方がテレビより上回るようになる」と述べた。

 長谷川氏は、メディアの中心がモバイルとなることが見えてきた現在、もう1つ重要なトレンドは「人と人のつながり方が変わっていること」と指摘する。具体的には、コミュニケーションに占めるビジュアルの比重が増えていることを挙げる。

 「ビジュアルヘビーなプラットフォームが求められている。スマートフォンの時代には写真、そしてモバイル動画がコミュニケーションの主役になる」。

 さらにその先にあるのが「VR(仮想現実)」や「AR(拡張現実)」だ。Facebookは近い将来にVRがコミュニケーションの中でより大きな比重を占めてくると考え、2014年にOculus VRを買収。以降、VRのテクノロジーの発展に注力している。

 「人と人のつながり方が変われば、人とビジネス、人とブランドのつながり方も変わると考えるのが自然。当然、企業のビジネスモデルや広告・マーケティング活動も変わってこざるを得ない。その変革をお手伝いしたい」と長谷川氏は述べる

Facebook18億6000万人+Instagram6億人+オーディエンスネットワーク10億人

 次に、2016振り返りとして、長谷川氏は同社サービスの現状について数字を挙げて説明した。まず月間アクティブユーザー数(MAU)。中核となる「Facebook」は18億6000万人、「Instagram」は6億人に達したという。また、Facebookのターゲティング機能を使ってFacebook以外のアプリやWebサイトへ広告を配信できる「オーディエンスネットワーク」を通して広告を閲覧する人数が10億人を超えたと紹介した。日本市場に限っていうとFacebookのMAUは2700万人、InstagramのMAUは1600万人。オーディエンスネットワークにおいても、国内のパートナーが着々と増えているという。

 「ポイントとしては、日本の2700万人のFacebookユーザーの約9割はモバイルからアクセスしているということ。Instagramはもともとモバイルのサービスであり、両方とも人と人がモバイルでつながるサービスであることがクリアになっている」

 業績に関しては2016年通期の売り上げはグローバルで3兆1800億円。前年比約54%増と高い成長を遂げている。内訳は84%がモバイル広告事業。地域別ではアジアの成長率が61%増。「グローバル市場をけん引するのがアジアであり、その中でも日本市場は重要な役割を果たした」(長谷川氏)

 また、Facebookの動画再生は1日80億回、Instagramでも投稿した動画が24時間で消えるカジュアルな動画サービス「Instagram Stories」だけで1日1億5000万ユーザーが活用しているなど、同社のサービスがモバイル動画再生プラットフォームとして強固なポジションを築いている。その他、Facebook MessengerにおいてもMAUが10億人を突破し、機能面の充実が進んだ。

 長谷川氏が強調するのが同社の日本市場への高い関心だ。これまでも日本の絵文字から影響を受けて「いいね!」ボタンに複数のリアクション機能を追加するなど、日本のニーズはサービスに大きく影響している。2016年には日本のファッションショウにInstagramの創業者が訪れるなど、日本のユーザーコミュニティーと交流がより深まった。さらに、中小企業のエンパワーメントやさまざまな企業との戦略パートナーシップも進んだという。

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