だから就活生に嫌われる 採用活動における企業の残念なコミュニケーションとは?約30%の学生が企業からの連絡を面倒に感じて選考を辞退

No Companyは、就職活動において若者世代が望んでいる企業からの連絡頻度や内容、方法について、調査を実施した。

» 2024年10月09日 19時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 採用活動が早期化、長期化する中、企業は選考途中の学生に逃げられないためにコミュニケーション(連絡の方法や頻度など)を最適化させる必要がある。

 博報堂グループで企業の人事部門向けに採用広報・採用マーケティング支援を行うNo Companyは、採用活動における企業から学生への適切な連絡について、就職活動を経験した20〜25歳の男女(会社員、公務員、学生のいずれかで「内定先が確定している」「就職済み」と回答した人)を対象に調査を実施した。

採用活動におけるコミュニケ―ションはSNSだけでいい?

 就職活動の中で、企業からの連絡への対応が「面倒」だと不快感を持った経験の有無を聞くと、「多少ある」を含めて62.9%の学生が「感じたことがある」と回答した。また、企業からの接触頻度や連絡の内容への不満を理由に応募や選考を辞退したことがあるかを問うと、27.1%が「ある」と答えた。

企業からの連絡が面倒に感じたことはある人は62.9%(画像提供:No Company、以下同)

 不快に感じた連絡内容は「説明会や次回選考に進むことを促す連絡」が24.1%、「HP更新など採用情報に関するお知らせ」が18.2%、「自身の近況を伺う連絡」が11.2%だった。一方で、「内定承諾後のフォロー」は7.6%と最も低く、比較的不快に感じない連絡内容であることが見えた。全体として、自分にメリットのある連絡は問題ないが、企業側の都合で押しつけられるような情報には不快感を持つ傾向が浮き彫りになっている。

面倒に感じる連絡内容1位は「催促」

 同じ企業からの連絡が多過ぎて面倒だと感じた時期の上位は「本選考のエントリー前」が22.9%、「インターンシップの参加後」が20.6%だった。インターンシップが終了して本選考が始まる時期は、エントリー数を集めるために連絡を増やす企業が多くなる。学生側からすると、大量に連絡が届くことになるため、それを不快だと感じ、場合によっては企業に対して悪い印象を抱くケースも出てくるようだ。

インターンシップ参加後、本選考前の連絡量の多さに学生は困惑

 就職活動の各期間における、学生にとって好ましい企業からの連絡頻度は以下の通りだ。自ら選考を受けることを決めた企業からは週1回程度連絡がほしいと考えている一方で、エントリーするか迷っている、内定を承諾するか迷っている企業からの連絡は、月に1回程度が望ましいという考えているようだ。

望ましい連絡頻度<エントリー直後>
望ましい連絡頻度<選考期間中>
望ましい連絡頻度<内定後>
望ましい連絡頻度<内定承諾から入社まで>

 就職活動中の企業からのコミュニケーション施策でうれしいと感じたのは、「採用説明会」(31.2%)が最も高く、次いで「人事面談(キャリア相談)」(18.8%)、「学生同士の交流会(選考に進んでいる人や内定者)」(18.2%)、「社員や社風が分かる動画」(17.6%)、「採用HP」(17.1%)という結果だった。昨今の学生の就職活動ではSNSが広く活用されてはいるが。エントリーする企業を決めた後は、従来通りの方法で企業情報を詳しく確認していることがうかがえる。

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