2013年12月17日、行動リターゲティング広告プラットフォームを提供するCRITEOの初のイベント「CRITEO PUBLISHER MEET UP 2013」がフランス大使館で開催された。このイベントはCRITEOのプラットフォームを利用しているパブリッシャー(メディア)を対象にしたもの。当日は約50社のメディア企業が集まった。
CRITEOは2005年にフランスで設立された企業だが、今年10月31日には米NASDAQ市場に上場し、ワールドワイドで売り上げを伸ばしている。また12月にはグローバルでモバイル広告ソリューションを展開することを明らかにしている。
全マーケットにおける同社の売上高は、2010年は6560万ユーロだったが、2013年は第3四半期時点で3億800万ユーロに達している。この12月のホリデーシーズンの広告効果を合わせると、3年前に比べ約5倍の伸びを示すと予想される。中でも今年度の第3四半期に大きく躍進したのはAPAC(アジア・太平洋地域)で、売上高全体の21%を占めている。
2011年の同時期には欧米市場と比べほとんど売り上げがなかったことを考えると、この2年間の間にAPAC市場が急激に伸びていることが分かる。そのけん引役となったのが、APACのヘッドクオーターである日本国内市場の成功だ。特に世界に先駆け今年第1四半期から開始した「スマートフォンへの本格配信」と、第2四半期からの「Yahoo!プライムディスプレイ配信開始」の効果が大きい。特にモバイル広告はこの半年で急成長を遂げた。またYahoo!プライムディスプレイに関しては、最も目に留まりやすい1stレクタングルへの出稿が可能になり、今年6月には出稿広告主が前年比5倍まで伸びた。また第4四半期からは、広告主のさまざまな要望に応じ、確度は低くとも多様な顧客に向けて広告を配信する「Mid Funnelキャンペーン」を実施するなど、積極的な展開を行っている。
2014年、同社のソリューションはどのように変化するのか。CRITEO Publisher Market Place シニアマネージャーの大坪直哉氏は、「新フォーマット(300×600)枠の追加」「テキスト+画像広告フォーマットの推進」「モバイル全方位対応開始」の3つの柱を掲げた。これまで同社のプラットフォームでは、スマホの300×250枠、PCの336×280のCTRが特に高かったが、新しい300×600枠はテスト結果によるとこれらよりもCTRが高く、より効果的な訴求が期待されるという。どちらも来年1月からの提供開始を予定している。
来年度からより本格化するのが、モバイル広告への取り組みだ。同社は今年、モバイルキャンペーンの最適化を支援するAD-X Trackingを買収しており、こうしたことも来年度への布石となっているようだ。
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