オンラインブランド広告の実際的な効果を測る指標――ますます問われるデータの質「リーチ」「レゾナンス」「リアクション」

CTRはブランド広告の有効性を測定する指標として適切ではない――。Facebook アジア太平洋地域の測定・インサイト主任ダグ・フレーザー氏は言う。CTRに変わる指標として彼が推すのは「リーチ」「レゾナンス」「リアクション」であり、これら3つの指標を組み合わせたフレームワークだ。

» 2013年04月30日 11時03分 公開
[谷古宇浩司,ITmedia マーケティング]
Facebook アジア太平洋地域の測定・インサイト主任ダグ・フレーザー氏

 インターネット広告におけるCTRは、ラジオの聴取率、テレビの視聴率の延長線上に存在するといえる測定指標だが、投資対効果という視点でこれらの指標の有効性を検証しようとすると常に大きな壁にぶち当たる。メディアを通じてある広告に接触した(あるいはバナーをクリックした)消費者が、訴求されている商品なりサービスを実際に購入したかどうかを明確にすることができないのだ。フレーザー氏は言う。ブランド広告を展開する企業にとって重要な関心はCTRではなく、

  1. [リーチ]誰に何回リーチしたのか?
  2. [(ブランド)レゾナンス]消費者のブランドに対する意識はどのように変化したのか?
  3. [リアクション]広告を見た消費者はどんな行動を起こしたのか?

の3つだ。この3つの指標を組み合わせた効果測定のフレームワークこそが、オンラインブランド広告の実際的な効果を測る上で有効に機能する。というのも、「CTRとROIの間には相関関係はない」(ニールセンの調査データを引用)し、「CTRと消費者の購買行動にも関係はない」(コムスコアのレポートを参照)からだ。

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