インテージがYouTube出稿による小売店販売への広告効果を計測するサービスを提供開始した。デジタル広告の重要性が増す中、実店舗販売への影響を可視化する需要に応える。
インテージは、YouTube広告がオフライン店舗の売り上げに与える影響を測定する新サービス「Sales Impact Scope」の提供を開始した。このサービスは、インテージが国内最大6000店舗の販売実績を基に提供する「SRI+(全国小売店パネル調査)」と、Googleがオープンソースで公開する統計手法「Causal Impact」を組み合わせたもの。オンライン広告によるオフライン売り上げの増分リフトを推定できる。
インターネット広告費が年々増加する一方で一般消費財の多くは依然として小売店販売に依存している。そうした中、オンライン広告がオフライン販売に与える影響を可視化するニーズが高まっている。しかし、サードパーティーCookie規制をはじめ、プライバシー保護の機運が高まる現状では、個人を軸にオンラインとオフラインの行動をひも付けて効果検証をするのは難易度が高い。
そこでSales Impact Scopeは、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6000店舗から継続的に、日々の販売情報を収集しているSRI+をベースに、実務上のKPIに則した形で施策による増分リフトの可視化を可能にする。
具体的にはまず、広告配信エリアと広告非配信エリアで、売り上げデータを波形が同質に近づくように分割。そして、広告非配信エリアの売り上げ推移から、広告配信エリアにおける「仮に広告配信しなかった場合の売り上げ」を推計し、実際の売り上げとの差を増分リフトとして算出する。これにより、他手法より精緻な広告効果計測が実現するという。
インテージは今後、Sales Impact ScopeをYouTube以外のオンライン広告やオフライン施策へ展開することを視野に入れている。また、「Brand Impact Scope」や「Marketing Mix Modeling」など、他のソリューションと組み合わせた多角的な分析サービスの提供も予定しており、企業のマーケティング活動の総合的な支援を目指している。
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