広告におけるGoogleの実験プロジェクト「Art, Copy & Code」とは広告が変化する時期に来ている

米Googleは2013年3月7日、新しいブランド広告の姿を追求する実験プロジェクト「Art, Copy & Code」を進めていることを自社ブログで発表した。

» 2013年03月11日 13時06分 公開
[岩崎史絵,ITmedia マーケティング]

 このプロジェクトの参加者は、フォルクスワーゲンやバーバリー、アディダスなどのクリエイティブチームと広告代理店。映画制作者やクリエイティブディレクターと技術者が協力し、企業ブランドがデジタルツールを通じてどのように顧客と接点を持つのかを探求するのが主な目的だ。

 本プロジェクトは2012年から進められており、間もなく登場するのが、新しいソーシャルドライビング・エクスペリエンスの提供を目指す「フォルクスワーゲン・スマイレージ」だ。このキャンペーンは、天気や交通事情、場所、時間やソーシャルインタラクションに基づいてドライブ経験の楽しさを測る「スマイレージ」と呼ばれる単位を、フォルクスワーゲンが提供するモバイルアプリケーションやWebサービスに蓄積していくというもの。Google+を利用したサービスなので、Googleアカウントを持っていれば、フォルクスワーゲンのユーザーでなくても利用できる。Google+にサインインしてスマイレージアプリを起動し、写真や動画を撮ると、リアルタイムにインタラクティブマップに自動的に追加していき、そのドライブ体験を共有できる仕組みだ。

 このサービスのきっかけとなったのは、2012年に行ったドライブ体験に関するアンケート調査だ。その調査によると、1億人以上の米国人が、車の中にいる時間は1日平均52分間、しかもそのうち76%は1人で過ごしているという。「この時間を共有できる経験にしたい」というのが、フォルクスワーゲン・スマイレージの狙いだ。

 Art,Copy&Codeの専用ページを見ると、本プロジェクトの前提として「広告が変化する時期に来ている」という意識があるのが分かる。1960年代は、アートディレクターとコピーライターが協力して高め合ったクリエイティブ革命の時代だった。それと同じことが今日再び起こっているが、この流れを駆り立てているのはテクノロジーだという。ただ、現在起こっているテクノロジー駆動の新しい潮流は、広告業界が長年培ってきたブランディング広告にある物語性を否定するものではなく、新しい経験をもたらすものだとしている。今後、本プロジェクトの取り組みや成果が期待される。

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