期待を超えたサービスを提供する「Oisixっぽさ」は、味においしさがあってこそ。おいしくなければ、すべてが成り立たない。商品のクオリティーこそがキラーファクターなのである。
数え切れない食品を扱う中で、分かってきた法則がある。それは「おいしい」という感覚は千差万別。しかし「おいしくない」という感覚は多くの場合一致する。Oisixの場合、安心・安全は当たり前の前提条件として、おいしくないものは選択しないという基準を設けている。
しかし、それは必ずしも感覚的なものに頼っているわけではない。同社の場合、食質監査委員会を設けて、取り扱う食品の安全性を厳しく監査している。Oisixで販売されている商品は、基本的に社内審査(試食)、食質監査委員会というプロセスをくぐったものばかりだ。この工程を経た、クオリティの高い商品を提供し続けることが、顧客満足につながっているのである。
体にいい食品をメジャー産業にしたい。そのために徹底した顧客重視を貫くが、同時に生産者にも満足のいく収入を得て欲しい。データベースマーケティングなども積極的に行っている同社だが、そこだけ論じてもさほど意味がない。世界初の成功モデルは、一貫した顧客満足への思いに支えられている。
顧客満足を掲げている会社は数多いが、その中身が「自社満足」になってはいないだろうか。本当に消費者の立場に立って顧客満足を追求する姿勢が、世界初を生み出していることに、わたしたちはもっと目を向けるべきではないだろうか。
エクストラコミュニケーションズの代表取締役。「キラーWebでNo.1をつくる」をテーマに、コンサルティングやプロデュース、マーケティングなど各種Webサービスを提供している。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「キラーウェブがキラーカンパニーを創る」で、Webマーケティング関連の記事を執筆中。著書には「キラーウェブ」 「Webプロデュースのプロが教えるサイト集客のツボ」などがある。
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