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» 2012年11月30日 14時10分 UPDATE

【連載】コミュニケーションデザインのための戦略フレームワーク:第5回 プロセスの視点 〜内部業務プロセスの「見える化」と「評価」のためのフレームワーク〜 (1/2)

今回お話しするマーケティングコミュニケーション活動におけるプロセスの視点では、「内部業務プロセス」と「コミュニケーションデザイン」という2つのケーパビリティを高めるためのフレームワークやモデル、モデリングの進め方、そしてモデリングを進める上でのポイントやコツを紹介します。

[工藤浩志,シナジーマーケティング]

 顧客に視点を置いたマーケティングコミュニケーション活動を通じて、マーケティングROIを最大化するため、2つのケーパビリティ(企業固有の組織の能力)を改善しなければなりません。1つは関係部門で協調しながら成果を確実に生み出すための「内部業務プロセス」を確立することです。もう1つは、お客さまの期待や価値、潜在ニーズを加味した「コミュニケーションデザイン」に関するケーパビリティを高めることです。

 マーケティングコミュニケーション活動におけるプロセスの視点では、この2つのケーパビリティを高めるためのフレームワークやモデル、モデリングの進め方、そしてモデリングを進める上でのポイントやコツを2回に分けて紹介します。もちろん、ケーパビリティを創り上げることはそう簡単なことではありません。これからするお話も少々複雑に感じるかもしれませんが、How toというよりは、考え方として、全体を捉えていただけたらと思います。

マーケティングコミュニケーション体系(アーキテクチャ)

 マーケティングコミュニケーション体系は、「戦略」の層と「戦術」の層で構成されています。

 BSCのフレームワークに沿って、「第3回 財務の視点 〜コミュニケーション戦略目標の“見える化”〜」ではマーケティングコミュニケーションがもたらすビジネス目的(ビジネスを維持、成長させること)を『見える化』するためのフレームワークや方法を紹介しました。また、「第4回 顧客の視点 〜顧客資産価値の「見える化」と顧客セグメンテーションのためのフレームワーク〜」では、お客さまをセグメンテーションするためのフレームワークや方法を紹介し、マーケティングコミュニケーション対象者を「見える化」する方法を紹介しました。さらには、お客さまセグメントに基づき、マーケティングコミュニケーションが達成しなければならない3つの戦略目標(達成目標)を意味づけました。

 この「ビジネス目的」と「対象者」、そして「戦略目標」といった3つの要素は、マーケティングコミュニケーション戦略を立案するための基本要素になります。

 また、マーケティングコミュニケーション戦略では、2つの価値、「自社の価値」と「お客さまの価値」を満たしていく必要があります。この2つの価値を創り上げるためのマーケティングコミュニケーション戦術が、今回と次回のテーマ「プロセスの視点」です。

 「自社の価値」と「お客さまの価値」を満たす上で必要となる2つのケーパビリティと、そのケーパビリティの「見える化」、そして、ケーパビリティを高めるためのポイントやコツを紹介します。

kudoh05_01.gif マーケティングコミュニケーション体系(アーキテクチャ)

なぜ今、ケーパビリティを創り上げなければならないのか

 これまで情報の受け手だったお客さまが、ブログやSNS(ソーシャルメディア)などを通じて発信者となり、さらには、お客さま同士のつながりを通じて情報の共有が頻繁に行なわれるようになった現在、マーケティングコミュニケーションのあり方が問われ始めています。お客さまは、企業が提供する情報を察知するだけではなく、自らが情報を発信することで友人や知人へ影響を及ぼす存在になっています。また、お客さまとのコミュニケーションを図る場(接点)も多様化し、さらには複雑化してきています。

 そんな時代、マーケティングコミュニケーション活動は、お客さまの価値やニーズを満たした働きかけ、そして自社の売り上げや利益を確保するといった自社の価値、この2つの価値を満たしていかなければなりません。

 確かにこれまでも、広告やWebサイト、メールなど、単一メディアに基づいたケーパビリティを創り上げるための活動はなされてきました。しかし、それはあくまでメディアの活用に関するケーパビリティを創り上げてきたことに過ぎません。

 現在求められているケーパビリティは、マーケティングコミュニケーション活動を通じた企業固有の組織の能力を創り上げることです。そして、その競争優位を築くために、次の3つの観点からマーケティングコミュニケーションのケーパビリティを創り上げていかなければならないのです。

  • マーケティング戦術の焦点を目標達成に向ける
  • ケーパビリティを中心に組織化を図る(社内、お客さま)
  • 成果を「見える化」して、一貫性のある評価基準を設ける

 その中核的な視点が、「プロセスの視点」なのです。「プロセスの視点」で大事なことは、自社を差別化でき、他社が模倣することが困難な「ケーパビリティ(企業固有の組織の能力)」を創り上げることなのです。

マーケティングコミュニケーション能力を高める2つの着眼点

 マーケティングコミュニケーションのプロセスは、関係部門で協調しながら成果を確実に生み出すための活動とお客さまの期待や価値、潜在ニーズを加味した「お客さまとのコミュニケーション活動」といった2つの側面があります。

 前者は、自社の「内部業務プロセス」に関する観点です。後者は、お客さまとの「コミュニケーションデザイン」に関する観点です。マーケターは、この2つの観点に関するケーパビリティを高めることが課題になります。

kudoh05_02.gif ケーパビリティを創り上げる2つの着眼点

 では、マーケティングコミュニケーション戦術の2つの側面のうち、「内部業務プロセス」を「見える化」するための方法やフレームワーク、モデル、そしてモデリングの進め方、モデリングを進める上でのポイントやコツを見ていきましょう。

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