今さら聞けない「SEO記事」とは? 2025年のトレンドを交えて解説SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説

SEO記事が果たす役割を理解できれば、SEO記事を作成する重要性も、より具体的に理解できるようになります。今回はSEO記事とは何か、なぜSEO記事を書く必要があるのかを解説します。

» 2025年02月28日 09時00分 公開
[谷川祐一SEOタイムズ]

 SEOにおいて記事作成は基本中の基本ですが、そもそもなぜ必要なのかという疑問が浮かぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、この記事では「SEO記事とは何か」「SEO記事を書く意味」「2025年のトレンド」について徹底解説します。

 検索エンジンの評価を得られるSEO記事を設計する方法を理解し、運に左右されないランクイン率向上を目指しましょう。

そもそもSEO記事とは?

 

(画像提供:SEOタイムズ)

 あらためて説明すると、SEOとは検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略であり、Webサイトを検索エンジンで上位表示させるための取り組みです。SEO記事とは検索エンジンで特定のキーワードで検索したときに上位表示されることを目指して書かれた記事のことを指します。

 SEO対策はWeb上で行われるマーケティングとして欠かせない戦略であり、中でもSEO記事は、非常に重要な役割を果たします。

 例えば、あなたが渋谷でラーメン店を営んでおり、ある消費者が渋谷でラーメンを食べようとしているとしましょう。その消費者はあなたのお店を知らないかもしれませんが、そのユーザーが「ラーメン 渋谷」というキーワードで検索したときにあなたの店のWebページがすぐ目に留まれば、来店してもらえる可能性が高くなります。そのためには検索結果の上位に表示されるための記事が必要です。

 つまり、SEO記事は、インターネット上であなたのビジネスをアピールする看板のようなものです。SEO記事を作ることによって、あなたのWebサイトをインターネット上で探しやすくし、多くの人にあなたの商品やサービスを知ってもらうチャンスが生まれます。

SEO記事を書くことで得られるメリット

 SEO記事を書くことで、次のようなさまざまなメリットが得られます。

  • Webサイトへのアクセス数増加:より多くの人があなたのWebサイトに流入し、興味を持ってもらえる
  • 競合との差別化:SEO記事を通じて自社の強みや特徴をアピールすることで、競合他社との差別化を図ることができる
  • ブランド認知度向上:継続的に質の高いSEO記事を作成することで、あなたのブランドを世の中に広めることができる
  • 顧客獲得:SEO記事を通じて、あなたの商品やサービスに興味を持ってくれる顧客を獲得できる
  • コンバージョン率向上:記事を読んだ人が、商品を購入したり、サービスに問い合わせたりする確率を高めることができる

検索エンジンに評価される記事と評価されない記事の特徴を比較

 検索順位で上位を獲得するためには、検索エンジンから高い評価を得る必要があります。検索エンジンごとに細かいルールは異なりますが、Googleの場合、評価が高い記事と高くない記事には、以下のような一貫した特徴があります。

 検索エンジンの判断基準はユーザーにとって価値があるかないかが軸になります。より具体的には以下のような点が評価の分かれ目となるでしょう。

SEO記事を書く際に知っておきたい4つの基本

 検索エンジンから評価される質の高いSEO記事を作成するためには、土台となる事前準備が必要です。SEO記事はいきなり書き始めても目的を達成することはできません。特に重要な以下の4つについて、初心者にもわかりやすく解説します。

  • キーワード選定
  • ターゲット読者
  • 検索アルゴリズム
  • 競合分析

キーワード選定

 まずは、どのようなキーワードで上位表示を目指すのか考えてみましょう。キーワードツールを使って、あなたのビジネスに関連性の高いキーワードやWebサイトのユーザーがよく入力しているキーワードを見つけましょう。キーワードツールとは、検索ボリュームや関連キーワードなどを調べることができるツールです。代表的なものにGoogleキーワードプランナーなどがあります。

 キーワード選定のポイントは、以下の通りです。

  • 検索意図:キーワードで検索したユーザーが、どのような情報を求めているのかを理解する
  • キーワードの検索ボリュームを確認:どれくらいのユーザーがそのキーワードで検索しているのかを知る
  • 関連性:Webサイトのテーマ(主題)・記事の内容・キーワードが一致しているか確認する

 検索ボリュームが多いキーワードを選ぶことで、より多くの人にあなたの記事を見てもらうことができます。逆に競合が少ないキーワードだと、よりニーズの高いユーザーに届きやすくなります。

ターゲット読者

 ターゲットとなる読者のペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、あなたの記事を読みたいと思っている人物像のことです。

 ペルソナの設定は読者の興味を引くコンテンツを作成するためには不可欠なプロセスです。より具体的な人物像をイメージしやすくなるペルソナの設定方法は以下の通りです。

  1. ペルソナに名前をつける
  2. 年齢、性別、職業などを決める
  3. 興味関心・悩み・目標を書き出す
  4. ペルソナの1日をシミュレーションする

 なぜペルソナ設定が大切なのかというと、読者のニーズを的確に捉えることができ、読者に届く言葉、読者が理解しやすい言葉を選び、記事の内容をより具体的に絞り込むことができるからです。例えば、以下のペルソナ「山田花子」は、美容や健康に関心があるものの、時間的な制約で現在に満足できていません。そのため、時短ダイエットグッズやそれを紹介・レビューする記事に対して高いニーズを持っていると考えられます。

検索アルゴリズム

 検索アルゴリズムとは、検索エンジンが検索結果を表示する際に利用しているプログラムのこと。ユーザーが検索したキーワードに対して関連性・質が最も高い情報を提供するための仕組みです。

 例えば、Googleはコンテンツの質、ユーザーエクスペリエンス、Webサイトの構造などを総合的に評価し、検索結果を表示しています。Googleをはじめ各検索エンジンは、日々このアルゴリズムを改良しており、よりユーザーに役立つ情報を上位に表示するようにしています。

競合分析

 競合サイトを分析することで、以下のような有益な情報がわかります。

  • どのような記事が上位表示されているか
  • 競合がどのようなキーワードを使っているか
  • 競合と差別化できそうなポイント

 具体的には競合サイトが上位表示されているキーワードを調査し、競合サイトの記事の内容、構成、文章の長さ、デザイン(記事の見せ方)、ユーザビリティーなどを分析します。

2025年のSEO記事トレンド

 SEOの世界は日々進化しており、常に最新のトレンドが生まれています。特に近年はAI技術の発展やユーザー行動の変化に伴い、SEOのあり方も大きく変わってきています。

 トレンドを知り、より効果的なSEO対策を行うことで、競合との差を大きく広げるチャンスが生まれるでしょう。

 2025年のSEOトレンドとしては「AIの活用」「E-E-A-Tの重要性の増大」「多様なコンテンツへの対応」「ユーザー体験の重視」という4つに注目しましょう。

AIの活用が加速するSEO

 2025年には、AIがSEOに与える影響がますます大きくなると予想されます。

  • AIによるコンテンツ生成:ChatGPT・Gemini・Copilotなどの生成AIを活用することで、記事のドラフト作成やアイデア出しを効率化
  • パーソナライズされた検索結果:AIによって、検索エンジンは個々のユーザーの検索履歴や興味関心に基づき、よりパーソナライズされた検索結果を提供
  • 自然言語処理の進化:AIによる自然言語処理技術の向上により、検索エンジンはより複雑な検索クエリを理解し、より正確な検索結果を表示

 AI活用に際しての注意点としては、人間による品質管理とオリジナルコンテンツの作成を徹底しましょう。AIが生成したコンテンツは、必ず人間が確認し、品質を担保する必要があります。AIはあくまで補助ツールとして活用し、オリジナリティーのあるコンテンツを作成するために使いましょう。

E-E-A-Tの重要性の増大

 Googleは記事品質を評価するうえで、「E-E-A-T」を重視しています。E-E-A-Tとは、以下の頭文字を取ったものです。

  • Expertise:専門性
  • Experience:経験
  • Authoritativeness:権威性
  • Trustworthiness:信頼性

 E-E-A-Tは特に健康・金融など、YMYL(Your Money Your Life)と呼ばれる、ユーザーの生活に大きな影響を与える可能性のあるトピックの記事で重要視されています。 E-E-A-Tを満たす手段としては、専門家による執筆や監修、信頼できる情報源からの引用、著者やWebサイトの信頼性を示す情報の公開などがあります。

多様なコンテンツへの対応

 SEOは、もはやテキストコンテンツだけのものではありません。以下のトレンドも押さえておきましょう。

  • 画像SEO:記事内容に対して適切な画像やインフォグラフィックを添付することで、画像検索での表示順位を向上
  • 動画SEO:YouTubeなどの動画プラットフォームを活用し動画コンテンツを作成することで、より多くのユーザーに情報を届ける
  • 音声検索:音声アシスタントの普及に伴い、音声検索に対応したコンテンツの需要が高まっている

ユーザー体験の重視

 SEOは検索エンジンを騙すためのテクニックではありません。ユーザーが求めている情報を提供し、よりよいユーザー体験を提供することが重要です。

  • 読みやすいコンテンツ:見出しや箇条書きを効果的に使い、読みやすいコンテンツを作成
  • モバイルフレンドリー:スマートフォンでの閲覧に最適化された文章構成やデザインにすることが重要
  • ページ読み込み速度:ページ表示速度を速くすることで、ユーザーの離脱率低減

 これらのトレンドを意識し常に新しい情報をキャッチアップすることで、あなたのWebサイトはより多くのユーザーに発見され、信頼されるWebサイトに成長するでしょう。


 SEOを目的とした記事では、検索アルゴリズムを理解した上で、キーワードとターゲットが明確な記事構成のもと、文章を書くことが重要です。検索意図とSEO記事が一致しているかどうかは特にチェックを徹底しましょう。

 ユーザーニーズを満たすため、Google検索セントラルやGoogle検索品質評価ガイドラインといった検索エンジンの評価基準のチェックも忘れてはいけません。

 SEOはすぐに効果が出るとは限りません。検索順位などの効果測定を継続的に行い、地道に改善していきましょう。

執筆者紹介

谷川祐一

谷川祐一さん

たにがわ・ゆういち GMOインターネット ソリューションパートナー事業部 メディア運営チーム シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(シニアマネージャー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

関連メディア