小売店の推定販売金額の伸びから、日用消費財の中で何が売れたのかを振り返るランキング。2024年の傾向をインテージがまとめた。
インテージは、全国約6000店舗で収集している小売店販売データ「SRI+(全国小売店パネル調査)」を基に、日用消費財の推定販売金額の伸びを振り返る「2024年、売れたものランキング」を発表した(データは10月分まで使用)。1〜30位の結果は以下の通りだ。
2024年、年間を通じて日本で最も売り上げが伸びたもの1位は「靴クリーナー」で前年比153%だった。2位は「パック」で、前年比144%。6月に公開された上半期のランキングとは順位が入れ替わった形だ(関連記事:「「2024年上半期に売れたもの」ランキング 身近で意外なあの商品も――インテージ調査」)。
靴クリーナーの中でもスニーカー用のシートタイプは年初から売れていたが、特に暑さが厳しかった6月〜9月は前年比2倍近くの売り上げとなった。2位のパックは2023年の15位から急上昇。大容量の商品を中心に、韓国コスメの拡大や有名タレントによるブームのけん引などが影響した。両商品とも新型コロナ発生後の2020年以降、売れたものランキングで10位以内に入っていなかったため、新たなトレンドとして躍進した。
今回は3位の「米」や4位の「トマトジュース」など、30位までに食品・飲料が14商品ランクインした。特に米不足が繰り返し報じられた影響で、新米が出回る直前の8月には騒動とともに米の販売金額がピークとなり、前年比172%まで上昇した。
逆に、販売が苦戦したランキングでは1位が「検査薬」(前年比52%)、2位が「マスク」(前年比75%)、3位が「オートミール」(前年比79%)という結果となった。いずれもコロナ禍のランキングで大きく販売金額を伸ばした商品だ。11位の「プロテイン粉末」(前年比93%)なども同様だが、これらの商品はコロナ前の2019年に比べると依然として販売金額が高水準にある。一方で、生活様式の変化などによって販売金額が減少し続ける商品も見られた。
物価高や猛暑、コロナ禍の収束といった外部環境の変化は、消費者心理と行動に直結する。マーケティング担当者はトレンドを迅速に察知し、柔軟な戦略と顧客視点での対応を徹底すべきだろう。
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