FacebookやXなど主要SNSで進む「外部リンク制限」の実態 唯一の例外は?Social Media Today

ソーシャルメディアはかつてWebサイトへの重要な流入経路であった。しかし、最近は各プラットフォームがリンク付き投稿を制限しつつあるように見える。主要プラットフォームの外部リンクに対する方針をまとめた。

» 2024年12月02日 13時00分 公開
[Andrew HutchinsonSocial Media Today]
Social Media Today

 最近、各ソーシャルプラットフォームがユーザーを他のアプリへ移動させないために投稿内のリンクにペナルティーを課すことについて、多くの議論が行われている。

 プラットフォームがそうするのは自サービス内でユーザーのエンゲージメントを維持したいと考えるためだ。しかし、パブリッシャーからすれば、そもそもなぜソーシャルプラットフォームに自社のオーディエンスを簡単に奪う手段を提供する必要があるのかと疑問に思うだろう。

 もちろん、ソーシャルプラットフォームは情報共有ツールとしての役割も担っているので、外部リンクを利用して恩恵を受けてはいる。しかし、時間が経つにつれて、投稿にリンクを含めることに対してペナルティーを課したり、リンクの使用を不可能にしたりするプラットフォームが増えている。その結果、トラフィックを自分のサイトに戻したいパブリッシャーにとってソーシャル アプリの価値は低下している。

 主要なソーシャルプラットフォームはリンクやリンクペナルティーについて実際、どのような立場を取っているのだろうか。

 以下は、各プラットフォームの公式声明やデータから得られた情報である。

Facebook

 Facebookは自社のアルゴリズムがリンク投稿を直接ペナルティー対象としているとは明言していない。だが、以前よりリンク投稿がアプリ内で次第に目にする機会が減少し、リファラルトラフィックも減少している。

 Facebook 独自のデータによれば、ユーザーフィードに表示される投稿のうち95%以上が外部リンクを含んでいない。さらに、この割合は時間とともに増加している。

 つまり、Facebookはリンク投稿のリーチを直接削減しているわけではないかもしれないが、AIが推奨する投稿(主にリール)を優先してリンク投稿の表示機会を減らし、ページのオーガニックリーチも減少している。

 Facebook はニュースコンテンツから離れつつあり、これがリンクリーチを妨げる一因となっている。

 結果として、Facebookのアルゴリズムがリンク投稿のリーチを直接削減していないとしても、これらの投稿が以前よりはるかに少ないリーチとエンゲージメントしか得られていないのが現状だ。

Instagram

 Instagramではキャプションにリンクを投稿することができないため、リファラルトラフィックを誘導する手段としてはもともとあまり有効ではない。ただし、ストーリーでリンクを共有することは可能であり、少なくとも理論上はリーチ制限がない。しかし、配信先はフォロワーにのみに限られる。

 いずれにしてもInstagramでは既存のオーディエンス以外にリンクを広めることは難しいのだが、逆に外部リンクを積極的に制限しているという証拠もない。そもそもリンクの存在感が小さいため、制限する必要もないのだろう。

Threads

 Threadsでは、外部リンクを含む投稿が制限されるかどうかについて多くの憶測が飛び交っているが、InstagramおよびThreadsの責任者であるアダム・モッセーリ氏によれば、そのようなことは起きていないという。

 一部のユーザーは依然として、リンク投稿のリーチが積極的に制限されていると信じているが、モッセーリ氏によれば、それは純粋にユーザー行動に起因するもので、アプリによって課せられた直接的な制限ではないということだ。

X

 Xは外部リンクを含む投稿のリーチを制限している。

 Xのオーナーであるイーロン・マスク氏はこれを繰り返し指摘しており、アルゴリズムの更新とユーザー行動の両方が原因であると述べている。embeddedTweets:https://twitter.com/elonmusk/status/1688663775744786432,center,590

 また、特定の記事へのリンクを意図的に遅延させていることも判明した。総じてX ではリンクは歓迎されていない。Xはアプリ内で直接自分の考えを共有することを望んでいるからだ。

TikTok

 Instagramと同様、TikTokでもキャプションやコメントに URL を含めることができないため、リンクをサポートする能力が限られている。つまり、リンクを追加することはできないため、リンクのリーチを制限する必要がない。このため、TikTok がプロフィールの自己紹介に含まれるリンクを制限していることを示す証拠はない。

 ただし、TikTok が競合相手と見なしている Amazon などのECプラットフォームへのリンクとなると話は別だ。TikTok では、これらのプラットフォームへのリンクは許可していない。

Snapchat

 Snapchatもリンク投稿に関して多くの余地を設けていない。少なくとも公開されている投稿内でリンクのリーチが制限されていることはない。

 ただし、他のソーシャルプラットフォームへのリンクは一部制限されており、Snapchatブラウザ内で読み込めないページへのリンクも許可されない。それでも基本的にはリーチのペナルティーなしでストーリーにリンクを投稿できる。

 とはいえ、リンク付きの公開Snapではユーザーのエンゲージメントが低下する可能性があり、リンク投稿が自然と制限される可能性はある。

LinkedIn

 LinkedInは外部リンクを公式に制限しているわけではないが、2024年初めに、リンクプレビューのサイズを縮小する変更を行った。

 この変更により、リンク投稿の宣伝にお金を払わない場合は小さい画像プレビューが表示され、お金を払うと、より目立つ画像が表示され、クリック数が増えることになった。

 また、外部調査(外部リンク/英語)でも、リンク投稿はアプリ内で他の投稿よりもリーチが大幅に少ないことが示されている。

 したがって、未確認ではあるものの、どうやらLinkedIn にはリンク投稿のリーチを制限するいくつかの対策があるようだ。


 総じて、外部リンクに完全に寛容なソーシャルプラットフォームは存在しない。唯一の例外がBlueskyだ。Blueskyは外部リンクを自社のアプローチの重要な要素と見なしている。

We love links because we love the open web

[image or embed]

— Jay 🦋 (@jay.bsky.team) 2024年11月19日 14:00

 これが、現在ジャーナリストたちがこのTwitter代替アプリに注目している理由の一つである。今後Blueskyが主要なアプリに成長すれば、それは大きな利点になる可能性がある。

 しかし、それ以外のほとんどのプラットフォームは、Webサイトへのトラフィックを促進することにそれほど熱心ではない。

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