今回はB2B向けのSEOについてです。リードは何のために獲得するのか、SEOでリード獲得をする具体的な方法とはどのようなものか、獲得したリードはフォローすればいいのかを解説します。
今回は、SEO対策でリード(見込み客)を獲得しようと思っているB2Bマーケターに向けて、以下のことをわかりやすく解説します。SEOによってリード獲得の可能性を高め、継続的な利益につながる顧客基盤を作りましょう。
B2Bビジネスにおいて、リード獲得は重要なプロセスです。リードを獲得する最大のメリットは、コンバージョンの可能性が高い見込み客と接点を持てること。リードは問い合わせや情報請求を行ったユーザーですから、一般的なユーザーよりも製品・サービスへの興味・関心が高いと考えられます。リードの中でも特に課題や解決策が明確な顕在層にアプローチすることで、コンバージョンにつながる確率が上がります。
適切なアプローチを通じてリードを顧客化することで、何度も商品を購入してくれるリピーターや、サービスの魅力を自ら発信してくれるファンになってもらうことも期待できます。
リード獲得は継続的な利益を得るための基盤を築く方法として、やみくもに新規顧客の獲得を続けるだけのマーケティングよりも効率的かつ効果的です。リードの基盤拡大は、売り上げ増加につながる重要な施策と言えるでしょう。
ターゲットを分析して特定のユーザーをWebサイトに流入させるSEO対策は、リード獲得との相性が抜群です。リード獲得につながる施策はさまざまですが、以下は特におすすめの施策です。
SEOでリードを獲得するなら、適切なキーワードの選定が何よりも重要です。SEOにおいてはキーワード選定が流入するユーザーのタイプや質を大きく左右するからです。例えば、「SEOツールの成約」がCV地点にもかかわらず「LP 作り方」「リスティング広告 やり方」など、キーワードの関連性が低かったら、上位を獲得したところで、質のいいリード獲得は期待できません。良質ないいリードを獲得するためにはまず、適切なキーワードを選定しましょう。上記のように「SEOツールの成約」をコンバージョンに設定した場合であれば、例えば以下のようなキーワードがあります。
これらのキーワードで上位を獲得できれば、SEOツールに興味があるユーザーが流入し、自社ツールも検討してもらえるチャンスが生まれます。デモバージョンツールの無料使用やホワイトペーパー配信といった施策を組み合わせながら、効果的にメリットを提示しましょう。デモバージョンツールの使用やホワイトペーパーダウンロードの際に、メールアドレスや担当者名などを入力してもらえば、効率的な顧客リスト獲得にもなります。
キーワードの使い方が特に重要なのがタイトルタグです。タイトルタグがランキングに影響することはGoogleも認めているため、ポイントをおさえて慎重に検討しましょう。
ユーザーが「このWebページならニーズを満たせそう」「この記事で悩みが解決できそう」と期待できるタイトルがベストです。
SEOでは、ライティングや画像選定などコンテンツ作成だけでなく、内部対策も重要です。例えば、Webページの読み込み速度を上げる施策に注目してみましょう。Webページの読み込み速度を上げると、Googleからの評価向上により上位獲得がしやすくなる他、ユーザーにとっても以下のメリットがあります。Webページ読み込み速度向上がユーザーにもたらすメリットは以下の通りです。
GoogleはユーザーにストレスなくWebサイトを閲覧してもらうことが重要と考えています。Webページの表示速度が遅いと、Webサイトが表示されるまでの時間に、他のWebサイトへの遷移を検討し離脱するケースも珍しくありません。Webページ読み込み速度の長時間化はユーザーにとって大きなストレスとなるため、Webサイト全体の表示速度を上げてユーザビリティを高めることが重要です。
SEOによって検索エンジンからの評価を獲得したら、直接的にリードを獲得する以下のような施策も組み合わせてみましょう。
SNSはコンテンツの拡散力が高く、ターゲットに対してダイレクトにアプローチできます。特にSEOと組み合わせる場合は、サイテーションを獲得する際に活用しましょう。
サイテーションとは、第三者による口コミなど別のメディアでの言及・引用のことを指します。X(旧:Twitter)やTikTokなどで自社の名前やURLが共有されると、外部対策として効果的です。
サイテーションを獲得するためには、企業宣伝用のSNSを開設すると施策の幅が広がります。アカウントをバズらせることで、ユーザーから自然と拡散される状況を作り、認知度を高めていきましょう。
SNSからも流入が期待できるようになれば、適切なターゲットに情報を届けるためのルート確保につながり、リード獲得がしやすくなります。また、SNSのエンゲージメントやフィードバックを活用したコンテンツ改善施策の発見も可能になります。
メールマガジンとSEOを組み合わせることで、以下のようなリード育成のステップアップを検討できるようになります。
メールマガジンに登録するユーザーは、Webサイト内のコンテンツなどに興味を持っています。成約に発展する可能性が高いリードなので、メールマガジンでアクセス機会を創出し、顧客に育成しましょう。
メルマガで配信する内容は登録者だけに提供されるものにすると、リード育成にはより効果的です。
SEOで流入した後のリードは、セミナーやウェビナーに誘導することでより確実な獲得につながります。
セミナーやウェビナーは、参加したユーザーにメリットがある内容にしましょう。例えば、SEOのツールについて説明するセミナーに参加したユーザーに対しては、以下のような内容がおすすめです。
ユーザーにメリットを提示するなら、セミナー参加者だけ有料ツールを一定期間無料で使用OKといった内容が効果的です。セミナーやウェビナーに参加するユーザーは、非常にホットなリードになるので、獲得後はしっかり関係を構築して成約につなげましょう。
SEOで獲得したリードを成約までつなげるには、以下のステップで進めていきましょう。
リードジェネレーションとは、リードを獲得する施策のこと。ターゲットを絞って、自社の製品やツールに興味がある、質の高いユーザーを集めることが主な目的です。
例えば、オンラインでリード獲得をする場合の手法として、コンテンツSEOやウェビナー、メールマガジンなどが挙げられます。施策によっては継続的なつながりを構築できるハウスリスト作成にもつながり、次のリードナーチャリングへのステップがスムーズになります。
リードナーチャリングとは、獲得したリードに対してコンテンツSEOなどを通じてアプローチしながら顧客に育成すること。獲得したリードを成約につなげるための重要なステップなので、しっかりアプローチしましょう。
リードナーチャリングの具体的な手法として、リード獲得のステップで獲得したリストを基にメールマガジンやセミナー、公式LINEなどでアプローチをかける方法があります。他にもさまざまな方法でアプローチをかけることによって、商品やサービスに興味があるユーザーを育成していきます。
リードクオリフィケーションは、リードの質を評価し、成約の可能性が高いリードを選別するフェーズです。
同じリードの中でも自社製品に強く興味を示している人もいれば、それなりの興味しかない人もいます。リードクオリフィケーションでは、前者を絞り込み、営業リソースを効果的に配分できるようにします。後者は、商談に発展するまで引き続きナーチャリングを行いましょう。
リードクオリフィケーション施策の具体的な例として、個別面談の実施が挙げられます。直接のコミュニケーションを通して、自社商材にどのくらい興味を持っているのかを調査してみるのです。成約に至りそうなら、そのままクロージングという流れにつなげていきます。その時点でクロージングできなくても、自社製品に興味は持っているので、複数回コミュニケーションをとるなどして、成約につなげましょう。
リード獲得をするなら、SEOと組み合わせることを検討しましょう。SEOと組み合わせることで、狙ったターゲットに対しコンテンツを発信できます。その過程でリード獲得にもつながるので、しっかり施策を実施したいところです。
また、リード獲得をする場合は、「SEO×セミナー」「SEO×メルマガ」といった施策も重要です。獲得したリードの中でも、さらに質が高いリードを獲得して、成約につなげていきましょう。
谷川祐一
たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(リーダー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。
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