若年層はSNSで検索する傾向が強くなっていることがForbes Advisorの調査で明らかになった。
若年層が上の年齢層に比べてソーシャルメディアを通じて商品を探す傾向が強いことは、広く認識されている事実である。具体的には何を検索しているのか、どのようなときにGoogle検索に切り替えるのかは気になるところだ。
Forbesの消費者向けアドバイザリーチームであるForbes Advisorは、調査会社Talker Researchと協力し、米国の2000人のインターネットユーザーを対象として若年層の検索行動を調査した。
その結果、若年層はソーシャルアプリ、特に「TikTok」や「Instagram」を使って商品を検索する傾向がさらに強まっていることが判明した。
これ自体は驚くべき新発見ではない。Googleは、自身の検索エンジンからTikTokやInstagramを使用した検索へのシフトを把握しており、この変化がGoogle検索にとって脅威になり得る可能性を指摘している。
さらに、人工知能(AI)技術を活用して文章や画像などを自動生成する「生成AI」は、このような検索行動のシフトにどのような影響を与えるのだろうか。
Googleは2024年5月、「ChatGPT」に似た生成AI機能「AI Overview」をGoogle検索に追加した。AI Overviewは、特定のクエリ(問いかけ)に対してAIが回答を概要として表示する機能だ。多くの人は、対話型検索が今後の主流になると予想している。AI Overviewが、Google検索を利用しなくなった人々を再び引き寄せる可能性があるかどうかが、次の大きな疑問となっている。
SNSアプリ側も生成AI機能を提供しようと進化している。TikTokは独自のAIチャットbot「Tako」をテスト中である。Metaも「Threads」を除く全てのソーシャルアプリにAIアシスタント機能「Meta AI」を導入している。今後人々の検索行動がどのように変わるか、競争の行方は見逃せない。
Forbes Advisorの調査結果で最も注目すべき点は、SNSアプリでの検索とGoogle検索で何を検索しているかが異なる点である。
Z世代のユーザーは主にファッションや美容、料理、クラフト関連の最新トレンドをSNSアプリで検索している。セルフケアやウェルビーイング、DIYといった分野も人気が高い。対象的に、大きな買い物や訪れたい場所、専門的なサービスの情報については主にGoogle検索が利用されている。
特に意外性のある結果ではないが、マーケターとしては、若年層がどのプラットフォームを使って何を探しているのかを理解し、自身のマーケティング活動にどう結びつけるかを考えるべきだろう。
重要なのは、目指す消費者層に応じたマーケティング戦略である。上の年齢層にリーチしたいならばGoogleを活用したマーケティングが重要であり、広告の表現を工夫する必要がある。
多くの若年層がソーシャルメディアで情報を検索するようになっている。この傾向を受けて、広告のクリエイティブ方向性と、各プラットフォーム間のアラインメントをどうするかが問われている。
より広範なトレンドに基づけば分かり切ったことに感じられるかもしれないが、具体的な内容や、それが自社のプロモーションとどのように関連しているかに注目する価値はある。
レポート全文はこちら(外部リンク/英語)で見ることができる。
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