マーケティングツールを利用する企業は多いものの、利用企業はツールをうまく使いこなせているのでしょうか。利用実態をインキュデータが調査しました。
ソフトバンクと博報堂、Treasure Dataの共同出資会社で企業のデータ活用支援を行うインキュデータは、売上高100億円以上の企業に勤務するビジネスパーソン(マーケティング、営業企画、販売促進、情報システム部門に所属)106人を対象に「マーケティングツールに関する調査」を実施しました。
勤務先で導入しているマーケティングツールをどの程度活用できているかを尋ねたところ、「あまり活用できていない」と「まったく活用できていない」を合わせた割合が最も多いツールは「CRM」(38%)でした。次いで「BI」(26%)が多く、それに「SFA」(23%)が続きました。これらは営業活動を可視化したり、迅速な意思決定を助けたりする役割を持つため、使いこなせているかどうかが企業の業績にも影響する重要なツールだと考えられています。どのツールも「十分に活用できている」と「ある程度活用できている」を合わせた割合は半数を超えていますが、有効な活用方法を見いだせていない企業が一定数存在していることが分かりました。
マーケティングツールを利用する上での課題では、「コストが高い」が40.6%で最も多い結果です。それに「効果の測定が難しい」(34.0%)、「ツールを使いこなせない」(28.3%)、「運用管理が煩雑になる」(24.5%)、「ツールの習熟に時間がかかる」(23.6%)が続きました。「費用対効果が見えにくい」「現実的に使いこなすのが難しい」といった悩みを抱えている企業の現状がうかがえます。
こうした悩みを抱える企業の中には、ツールの導入、活用において外部コンサルの力を借りるケースもあるでしょう。調査では、「専門家によるコンサルを受けたい/受けている」と回答した人を対象に外部コンサルに期待する効果や、利用したことで享受できるメリットを聞いています。最も多い回答は「取得したデータの活用」と「マーケティング戦略の策定」で41.9%。次いで「データ分析とレポーティングの改善」(40.5%)が多い結果でした。
マーケティングツールや取得したデータの活用においては、社内の非専門家が属人的に実行しているケースがあります。今回の調査からは、マーケティングの戦略策定を含む業務スキルやツールの活用レベルにおいて問題を抱えている企業が少なくないことがあらためて分かりました。
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