調査会社のクロス・マーケティングが実施したダークパターンに関する調査(2024年)の結果です。
アプリやWebサイトの表示やデザインを利用して、消費者にとって不利な決定や意図していなかった選択に誘導する「ダークパターン」と呼ばれる手法が問題視されています。
クロス・マーケティングは、全国20〜69歳の男女を対象に「ダークパターンに関する調査(2024年)」を実施しました(有効回答数:本調査1100サンプル)。
調査では、アプリやWebサイトの利用時に感じる不快な事象を20個呈示し、あてはまるものを複数回答で選択してもらいました。最も多く選ばれたのは「広告が表示され、押す気はないのに誤って押してしまった(押しそうになった)」ことで、約3割の人が経験しています。これを選んだ人は特に女性50代に多く、「急に不快な画像や苦手な画像の広告が表示された」経験も他の年代より多くなってます。
ダークパターンに接触したときの気持ちを聞いたところ、「時間の無駄」や「腹が立つ・いらいらする」と感じる人が4割程度。約3人に1人は「もうその会社のサービスは使いたくないと思う」と回答しており、サイトを運営する企業・サービスのイメージダウンや離反も招いている様子がうかがえます。なお、信頼できるアプリやWebサイトとしては「企業の公式が運営しているもの」(23.0%)が最も多く挙げられましたが、4割の人は「信頼できるアプリやWebサイトはない」と回答しています。
「ダークパターン」という言葉の認知率は22.5%。意味まで知っている人は5.7%にとどまりました。
ダークパターンという概念は、まだ世間一般には浸透していない様子です。しかし、信頼できるアプリやWebサイトがないと考える人が一定数いることから、不快感の正体を言語化できていないだけで、ストレスを感じている人は少なくないのではないでしょうか。
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