世界の業務アプリ導入数は1社当たり平均93、日本は最少の35――Okta調査：今日のリサーチ

業務アプリの利用動向に関する年次調査の結果です。

[ITmedia マーケティング]

　アイデンティティ管理サービスを提供するOktaの日本法人であるOkta Japan は、全世界1万8000社以上に導入され、7000以上の業務アプリケーションと連携している「Okta Integration Network」 の匿名化されたデータを基に業務アプリの利用動向を調査たし結果をまとめた「Businesses at Work 2024」を発表しました。調査は2015年から毎年実施され、10回目の今回は2022年11月1日から2023年10月31日までのデータを分析しています。

国内の成長リーダーはSalesforce

　今回の調査では、ここ数年伸び悩みを見せていた1社当たりの平均導入アプリ数が、前年比4％増の93に増えたことが分かりました。国別では米国が平均107と最も多く、日本は平均35と最少でした。企業規模別に見ると、従業員2000人以上の大企業の平均導入アプリ数が最多で前年比10％増の231でした。従業員数2000人未満の中堅・中小企業では同4％増の72でした。

　顧客数とユニークユーザー数の両面での成長率が平均以上の「成長リーダー」のアプリの中でも顧客数で最も成長したのは「1Password」で、ユニークユーザー数で最も成長したのは「Amazon Business」でした。この他、「Figma」「Miro」「HubSpot」「Snowflake」「GitHub」「KnowBe4」「Sentry「Zscaler」は前年に引き続き今回も成長リーダーでした。全体の顧客数はまだ少ないものの「monday.com」は今回初めて成長リーダーにランクインしました。

上位50のアプリ成長率（出典：Okta Japan、以下同）

　全企業の顧客数別に最も人気のある上位15アプリのランキングに注目すると、顧客数でトップのアプリは依然として「Microsoft 365」ですが、「Google Workspace」が、AWSを抜いて第2位に浮上しました。ただし、このランキングは企業規模別に見ると変わります。テクノロジー系のスタートアップ企業で最も人気のあるアプリの第1位は「Google Workspace」で、第2位はAWSでした。「Slack」も人気があり、第4位にランクインしています。一方、Fortune 500企業で最も人気のあるアプリの第1位は「Microsoft 365」で、「Salesforce」「AWS」が続きます。

最も人気のある上位15アプリのランキング

　日本国内における成長リーダーは「Salesforce」「Box」「Zoom」「Google Workspace」「Slack」でした。Salesforceは顧客数とユニークユーザー数ともに前年同様最も高い伸びを示しました。「Box」「Zoom」「Slack」はいずれも高い成長率を示し、初めて成長リーダーとなりました。

日本国内で最も人気のある上位10アプリのマトリクス

　最も急成長した上位10アプリの第1位は、データコンプライアンスのアプリである「Vanta」で、顧客数の増加率が同338％増でした。第6位にランクインした「Drata」もデータコンプライアンスのアプリです。最も急成長した上位10アプリのランキングにデータコンプライアンスのアプリが2つランクインしたのは初めてのことです。

　第2位には、営業支援アプリの「ZoomInfo」がランクインしました。営業支援アプリのランクインは2022年以降初めてです。業種別で導入状況を分析したところ、テクノロジー業界では「Vanta」が顧客数で同410％増、「ZoomInfo」がユニークユーザー数で同638％増でした。

最も急成長した上位10アプリ