Doveの「#TheFaceof10」キャンペーンは、10代あるいはそれ以下の子がアンチエイジング化粧品に群がるという憂慮すべきトレンドに対処しようとするものだ。この取り組みは「自信を鼓舞する」というDoveのポジショニングを強化する可能性がある。
ソーシャルメディアが10代のメンタルヘルスに及ぼす悪影響について激しい議論が交わされている中、Unilever傘下のDoveはパーソナルケア事業における憂慮すべきトレンドに果敢に取り組んでいる。
米国では今、α世代(2010年以降生まれ)の女の子がDrunk Elephantのようなプレミアムアンチエイジング製品に夢中になり始め、お試しのために小売店に殺到している。これらのブランドはもちろんティーンエイジャーをターゲットにしているわけではないが、その後の論争に巻き込まれているのだ。
Doveはこの機会を利用して、ソーシャルメディアが女の子たちのセルフイメージに与える悪影響に取り組むパーパス主導型のマーケティング施策を強化している。具体的には、自分の外見にコンプレックスを抱く子どもたちの自尊心を高めることを目的とした「#TheFaceof10」キャンペーンを開始した。Doveが推定するところ、10歳から17歳の少女の約4分の1が、自分は外見で判断されていると感じている。
「10歳の子どもたちが、いつからシワや老いを気にするようになったのか。不条理を強調し、彼らの自尊心を守るために声を上げるときが来た」と、Doveのグローバルバイスプレジデントであるフィルダウス・エル・ホンサリ氏はプレスリリース(外部リンク/英語)の中でコメントしている。
Unileverの主力ブランドであるDoveは独自のアンチエイジング製品ラインを持っており、競合他社に一歩差をつけつつ、今立ち上がることで、潜在的な反発から距離を置くことができるだろう。
何十年にもわたって身体に自信を持つためのセルフエスティームプロジェクトを実施してきたDoveは往年の天才子役(※)として知られるドリュー・バリモア氏とタッグを組み、トーク番組の司会者でもある彼女がこの問題についての見解を率直に語る一連のソーシャル投稿をスポンサードした。2人の娘の母親であるバリモア氏は#TheFaceof10のハッシュタグが付いた動画の中で、自分は美容と化粧品に囲まれて育ったが、キラキラとシールを顔に貼るような楽しい側面に焦点を当てようとしていたと詳述している。彼女はアンチエイジングへの固執は行き過ぎだと主張しており、年を取ることは特権であり誰もが経験できることではないのだと述べている。
※編注:1982年公開の映画『E.T.』の主人公の妹役で一躍有名になった
「アンチエイジングに関しては大人に対してさえ正確なメッセージなのか私には分からない。何故なら、年を取らないなんてあり得ないし、実際に年齢を重ねることができるのはラッキーだからだ。でも、若い女の子がアンチエイジングのために何かをする必要なんてない。あなたはすでに美しいのだ」と、バリモア氏はInstagramの動画(外部リンク/英語)で語った。
さらにDoveは、ボディイメージの専門家で心理学者のフィリッパ・ディードリヒス氏と皮膚科医のマリサ・ガーシック氏に協力してもらい、デリケートな話題についてα世代と話し合う際の助けとなるTikTok動画「The Gen A Anti-Aging Talk」(外部リンク/英語)を制作した。皮膚科医のモナ・ゴハラも同ブランドと協力した。
#TheFaceof10キャンペーンは、2024年のDoveのマーケティング活動における多忙な計画の一つに数えられるものだ。Doveは2月には18年ぶりにスーパーボウルに復帰し、女の子をスポーツに参加させるというポジティブなメッセージを込めたスポットを放映している。
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