Criteoが発表した「デジタル広告業界における日本のマーケターのAI活用とその影響に関する意識調査」の結果です。
Criteoは、日本でデジタル広告業務に関与する20代から60代の男女515人を対象に調査を実施し、AI活用とその影響に関する意識を探りました。
欧州連合(EU)の立法議会である欧州議会は2023年6月14日(現地時間)に生成AIを含む包括的なAIの規制法案である「EU AI Act」を採択し、年内の合意を目指しているとされます。こうしたAIに関する法規制が自社の事業へ今後どう影響すると認識しているか聞いたところ、「とても注視している」(33.4%)と「ある程度注視している」(53.6%)の合計が87%となり、日本のマーケターの問題意識の高さがうかがえます。
インターネット広告に関する業務で生成AIの導入がどの程度進んでいるかという質問に対しては最多が「進めてはいるが、さらなる議論が必要」(51.5%)で「目標達成に向けて順調に進めている」(17.1%)はさほど多くないものの、両者を合計すると68.6%で、7割弱が生成AI導入を進行中ということになります。また、「生成AI導入の計画はない」(6.6%)を除く9割強が生成AIに対して導入意向がある結果となりました。
インターネット広告配信に関する業務で、生成AIがどのような用途に活用できると考えるかを聞くと、最多は「テキストの生成」(71.3%)と「画像の生成」(69.6%)がそれぞれ約7割を占めました。
2024年にGoogleがWebブラウザ「Chrome」におけるサードパーティーCookieのサポートを停止することが決まっています。このことについて対応に困っているかどうか聞いたところ、「とても困っている」(14.2%)と「どちらかというと困っている」(51.8%)の合計が66%で、7割近くのマーケターが対応に困惑していることが分かりました。
2024年のサードパーティーCookie廃止後、ターゲティングやトラッキングにおいてAIの活用がより重要になってくると思うかという質問に対しては「とても重要だと思う」(39.1%)と「どちらかというと重要だと思う」(52.1%)の合計が91.2%となりました。
今回の調査結果について、CriteoのCTO(最高技術責任者)を務めるディアミド・ギル氏は2023年11月28日に開催された記者説明会で以下のようにコメントしています。
「GDPRのような法律で以前にも見られたように、ある地域の法律が世界の他の地域に影響を及ぼすことはよくあることです。この法律(EU AI Act)の原則を理解することは、他の国々にとっても非常に興味深いことでしょう。AIには大きな可能性があり、信じられないほどのパワーがあります。『スパイダーマン』の言葉を借りれば“大きな力には大きな責任が伴う”ということ。だから、業界や政府は、AIの可能性に焦点を当てるだけでなく、リスクを理解することも重要です」
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