購入や申し込みなどのコンバージョンに強い影響を与える「キラーコンテンツ」の作り方について解説します。
Web担当者であれば、「キラーコンテンツ」について知っておく必要があります。本記事では、「キラーコンテンツって何?」「作り方が分からない」と悩む人に向けて、キラーコンテンツの概要や作成例から、広告LPとの違いや作り方まで、分かりやすく解説します。
キラーコンテンツの一般的な意味は「圧倒的な人気を誇るコンテンツ」や「非常に優れたコンテンツ」です。例えば、お笑い芸人であれば「必ず笑いをとれる鉄板ネタ」やゲーム会社であれば「大ヒットするゲームソフト」を、キラーコンテンツと呼びます。キラーコンテンツの「キラー」は、サッカーやバスケットなどのスポーツで見られる、得点に直結する「キラーパス」と同じ意味合いです。
コンテンツマーケティングにおけるキラーコンテンツとは、購入や申し込みなどのコンバージョンに強い影響を与える、魅力的なコンテンツを指します。コンテンツそのものに魅力があり、優れた発信力で商品やサービスの購入につなげられる、質の高いコンテンツであり、ユーザーが求める情報が書かれていることが特徴です。キラーコンテンツは商品・サービスの購入や資料請求や問い合わせなどのコンバージョンへユーザーを導きます。
どのようなコンテンツがキラーコンテンツなのか。具体的な例を8つ紹介します。
実際に商品やサービスを利用したお客さまの声や口コミは、最も力強いキラーコンテンツです。第三者の生の声は、説得力があることはもちろん、安心材料にもなります。
多くのユーザーが高く評価していると、商品やサービスに対して自然と信頼感が高まるため、購入する意欲も高まります。また、お客さまの声や口コミはインターネット上だけではなく各種SNSでも拡散されやすいため、キラーコンテンツとして欠かせない存在です。
アンケートの結果も価値があります。アンケートで集めた要望や意見をデータ化すれば、ユーザーのニーズに合わせて商品やサービスの改善などに活用できるからです。また、アンケートの結果を公開すれば、企業の信頼性と透明性も高められるでしょう。
商品やサービスを利用した際の、具体的なイメージを伝えられる導入事例も、効果的なキラーコンテンツです。ユーザー自身が実際に商品やサービスを利用した場合にどのような体験ができるのかをイメージしやすいため、購買意欲を高められます。導入事例によって他のユーザーが体験した満足や成功に共感することで、ユーザー自身も同じ体験ができると期待できるからです。
商品やサービスの詳細を掲載した紹介ページがあれば、魅力や特徴を伝えられます。商品やサービスに対する不安や求めていることは、ユーザーによって異なります。ユーザーが求める情報を網羅したコンテンツを作成すれば、コンバージョンにつなげられるでしょう。
自社と競合他社の違いを比較したコンテンツも、有効なコンテンツです。特徴や性能を比較し、違いを分かりやすく説明したコンテンツがあれば、ユーザーに有益な情報を提供できます。また、自社の商品やサービスの強みを強調することでユーザーに優越性を印象づけられるため、購買意欲をかき立てるのに役立ちます。
商品やサービスを利用する前のユーザーは、「キャンセルできるのか」「どのぐらいで届くのか」など、不安を抱えることも少なくありません。カスタマーサービスのコンテンツを作成し、導入の流れや導入後のキャンセル・返品について説明しておけば、ユーザーは安心して利用できます。ユーザーがスムーズに商品やサービスを利用できれば満足度もアップするため、良い口コミの発信やリピート購入につながるでしょう。
実際に商品やサービスを利用する前に、使い方の動画を確認したことがある人も多いかと思います。例えば、電動工具の使い方やカーシェアの利用方法など、初めて利用する商品やサービスに対しては、不安を感じる人がほとんどです。使い方の動画を公開すれば、商品やサービスを利用するシーンをイメージしやすいため、ユーザーに安心感を与えられます。
専門家による評価は、商品やサービスの価値と信頼性を高められます。業界の第一人者や権威のある専門家などに評価された商品やサービスは、ユーザーの信頼を得られるでしょう。
専門家による評価は説得力があり、ユーザーの信頼や安心感につながるため、購買意欲の向上が期待できるキラーコンテンツです。
キラーコンテンツと似たものに広告LP(ランディングページ)がありますが、両者は異なるものなので注意が必要です。
キラーコンテンツと広告LPでは、「ターゲット」が異なります。どちらもコンバージョンを促すコンテンツですが、広告LPは新規ユーザーの獲得が目的です。一方、今までに接触しているユーザーのコンバージョンのきっかけ作りや、購買意欲の向上が、キラーコンテンツの目的です。
ターゲットと目的が異なると、役割も当然異なります。広告LPは商品やサービスの認知とコンバージョンですが、キラーコンテンツはユーザーの育成とコンバージョンを促す役割を担っています。
ユーザーが商品やサービスを求める最適なタイミングで、効果的かつ魅力的なキラーコンテンツを配信することで、資料請求や問い合わせなどのコンバージョンページに遷移させられます。LPについては、こちらの記事(外部リンク)でも解説しています。
キラーコンテンツについて理解できたら、早速作ってみましょう。ここではキラーコンテンツの作り方を、3つのステップで解説します。
初めに行うのが、ユーザーが購入や問い合わせなどのコンバージョンに至ったコンテンツの分析です。分析する際には、「コンバージョンが多い要因」と「コンバージョンに至ったユーザーの行動」に注目します。コンバージョンに至った要因とユーザーの行動が把握できたら、より効果的なキラーコンテンツを作成できます。
例えば、健康食品を販売する会社が既存ユーザーが購入に至った理由を調べて、「現役のアスリートがおすすめしていた」「ダイエットにつながった」「信頼できる成分が含まれていた」という要因が見つかったとしましょう。これらの情報に基づくと、「アスリートがお薦めする効果的な食べ方」をテーマにしたコンテンツが考えられます。専門家の説明によって新規ユーザーが商品の価値を理解しやすくなるだけではなく、成分に関する情報を公開することで信頼性と透明性も高められます。
既存ユーザーがコンバージョンに至った要因と行動が分析できたら、仮説と検証を繰り返します。例えば、「アスリートがお薦めする効果的な食べ方」のキラーコンテンツを作成する際は、次のような仮説を立てます。
仮説を立てたら、要因を含むコンテンツと含まないコンテンツを作成します。作成したコンテンツは、自サイトやSNSで公開し、それぞれのコンバージョンの結果を検証するための実験も行いましょう。
検証の結果、コンバージョンの高いコンテンツをさらに改善し、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを作成します。分析したデータを基に仮説と検証を繰り返すことによって、持続的に改善できるため、ユーザーの満足度はもちろん、ビジネスの成果の向上も実現できます。
キラーコンテンツを作る際の3つのコツを解説します。
リンク誘導を活用すれば、Webサイト内のクリック率や滞在時間が向上するだけではなく、コンバージョンにつなげることも可能です。例えば、商品やサービスのWebページへの導線なら、使い方や導入方法のコンテンツ、トレンド情報のコンテンツなどへの設置が有効です。
キラーコンテンツと他のコンテンツは、量のバランスを意識して作成しましょう。キラーコンテンツはたくさんあれば良いというものではありません。Webサイトに掲載するコンテンツの全てをキラーコンテンツにしようとすれば、同じようなコンテンツばかりになってしまい、逆に効果が薄れてしまいます。キラーコンテンツは集客用のWebページよりも少なくし、それぞれの役割を明らかにして、Webサイトの全体的なバランスを保つことが大切です。
キラーコンテンツをユーザーに提供するには、自サイトやSNSなどさまざまな方法がありますが、メールマガジンによる配信も効果的です。対象者をセグメントし、キラーコンテンツへ誘導するメールを配信すれば、より効果を高められるでしょう。
キラーコンテンツは、商品・サービスの購入や問い合わせなど、コンバージョンに役立つコンテンツです。効果的なキラーコンテンツを作成するには、コンバージョンを達成したコンテンツをしっかりと分析し、ユーザーの求める情報を提供する必要があります。また、キラーコンテンツは、一度作成したら終わりではありません。市場動向やユーザーニーズの変化に応じて、継続的に改善することが大切です。
谷川祐一
たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム リーダー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(リーダー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。
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