最新の調査から見えてきた日本におけるX(旧Twitter)ユーザー利用実態を徹底解説します。
X(旧Twitter)はイーロン・マスク氏による買収以降、大きな変革を遂げています。アルゴリズムの公開、APIの有料化、認証済みバッジの新制度など、その変化は多岐にわたります。そして2023年7月、プラットフォームの名称自体も「Twitter」から「X」へ、リブランディングされました。
こうした大胆な変更により、Xは「ユーザー離れ」が進行しているのではないかという懸念の声が広がっていますが、実際のところ、利用状況はどのように変化しているのでしょうか。本記事では、これまでのXの変化から、その結果生じた国内ユーザーの利用状況の変化、さらには企業がXをマーケティングに活用する上で抑えておくべき重要なポイントについて解説します。
2022年10月にイーロン・マスク氏がXを買収して以降、Xではさまざまなアップデートが行われました。2023年9月までの変化のうち、マーケターが押さえておくべき重要な変化をピックアップしてご紹介します。
このようにXは非常に速いスピードで変革を進めており、サブスクリプション、広告、有料APIによる短期的な収益バランスの改善と並行して、コンテンツクリエイターの確保によるユーザーの拡大と「スーパーアプリ」化による長期的な事業の拡大という方針に向かって、極めて合理的かつ強力に推進していると言えます。
参考:Twitter公式ブログ「Building the future of X」(外部リンク/英語)
アライドアーキテクツが提供するSNSマーケティング支援SaaS「echoes」では、Xの利用頻度や変化に対する反応など、Xを利用する国内ユーザーの利用実態を把握する「Xユーザーの利用実態調査2023」(外部リンク)を実施しました。
Xの機能・サービスや仕様が大きく変化する中で、「ユーザー離れ」が進んでいるのではとも言われますが、ユーザーはこれらの変化をどのように受け止めて利用しているのでしょうか。
まずは利用頻度に着目しました。
2023年6月の調査では、全体の81.4%の人が1日に1回以上Xにアクセスしていると回答しました。週1回に満たない、1カ月に1〜3回と回答した人は全体の4.4%にとどまり、毎日頻繁に利用するユーザーが多いと言えます。
さらに、Xへのリブランディング後の2023年9月に同様の調査を実施したところ、6月時点と比較すると全体的に利用頻度はやや下がっているものの、1日に1回以上Xにアクセスしている人は75.8%、週1回に満たない人は7.5%と、引き続き高い頻度で利用するユーザーが多いことが分かりました。
続いて、目的別の利用頻度の増減について聞きました。2023年6月に「閲覧」「検索」「投稿」それぞれの頻度の増減について聞いたところ、全ての目的で「増えた」割合が「減った」割合を上回り、特に「閲覧」「検索」においてはその差が大きく、むしろ利用頻度は上がっていることが分かりました。
さらに、Xへリブランディング後の2023年9月に同様の調査を実施したところ、閲覧・検索・投稿いずれも、「増えた」割合が減り「減った」割合が増えたものの、依然として「増えた」割合が「減った」割合を大きく超えている状態であることが分かりました。
以上の点からは、現時点では世の中で懸念されているような大規模なユーザー離れは起きていないと言えます。では、ユーザーはXの機能や仕様の変化をどのように受け止め利用しているのでしょうか。
Xの機能や仕様の変化に対してどう捉えているかを聞いたところ、2023年6月時点の調査では、「以前より悪くなった」が「以前より良くなった」を上回っているのは「おすすめ(For You)タブに表示される投稿」と「公式アプリの使いやすさ」の2項目のみとなり、その他の8項目では「以前より良くなった」が「以前より悪くなった」を上回っていることから、どちらかというと肯定的な反応が多いと言えます。
一方で2023年9月時点の調査では、「以前より良くなった」が「以前より悪くなった」を上回った項目は「投稿に『コミュニティノート』がつき詳しい背景情報を得られるように」のみとなり、その他4つの変化については「以前より悪くなった」が上回っていることから、2023年6月時点より戸惑いが見られます。ですが、6月と9月の調査におけるいずれの項目も、60%以上の回答が「変わらない、分からない、答えたくない」であることから、機能や仕様の変化については「賛否両論あるが、多くのユーザーはそれほど気にしていない」と言えるかもしれません。
以上のことから、Xへのリブランディングおよび機能・仕様変化によって、やや戸惑いが見られるものの大規模なユーザー離れは起きておらず、引き続きXは生活者の情報収集源として大きな影響を維持し続けるものと考えられます。
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