プライバシーとベネフィットのはざまで「あなたのための広告」にどう反応するか。今回は、世界の消費者がデジタル広告をどのように捉えているかを見てみましょう。
一人一人に合った広告が随時アプリやブラウザ上で表示されるデジタル広告は、いまや広告の主流となりつつあります。Zenithがリリースした「Advertising Expenditure Forecasts」の2021年7月版によると、2021年における世界の広告支出の58%をデジタル広告が占めることになるようです。日本でも2019年にデジタル広告がついにテレビ広告を抜き、2020年にはその差をさらに広げています。
しかし、デジタル広告も順風満帆ではありません。2021年春、プライバシー保護のトレンドを受けてAppleがリリースしたiOS 14.5では、ユーザーが自分へのターゲティングを拒否する選択が可能になりました。Flurry Analyticsの調査では、実に88%のユーザーが「トラッキングしないよう要求」しています。これは、FacebookやGoogleといったデジタル広告による収入に大きく依存する企業にとって、大きな脅威といえるでしょう。
広告を出す側にとって、デジタル広告は無駄打ちを減らせる「コスパの良い」手段ですが、受け取る側には「追い回されて気持ち悪い」という気持ちもあります。今回は、StatistaのGlobal Consumer Surveyを基に、世界の消費者がデジタル広告をどのように捉えているかをウォッチしてみましょう。
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