UberとLyftの2社は、ともに株価低迷と黒字化に悩むといわれてきましたが今後、どんな市場戦略を仕掛けていくのでしょうか。
appScatter傘下のPrioridataのスマートフォンアプリ市場分析データとMIXRANKが提供する世界200カ国のモバイルアプリ内実装SDK採用・削除データを使い、世界のアプリの動向をさまざまな切り口から探ります(執筆者の所属するインターアローズはappScatterのグローバルデータパートナーです)。
通常、MAU(月間アクティブユーザー)やDAU(日間アクティブユーザー)はアプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザーを調査パネルとして推定値を出しますが、Prioridataは傘下のAirpuhおよびデータパートナーとの提携により、デベロッパーおよびパブリッシャーデータとトラッキング対象デバイス35億のビッグデータを活用してMAUやDAUを算出しています。
SDKの採用・削除履歴からは、そのアプリを運営する企業のモバイルビジネスの構想が分析できます。MIXRANKは取得が難しいとされるiOS版アプリのSDKデータを保有しており、それが高い評価を受けている理由の一つになっています。
日本ではタクシー業界の抵抗もあり、規制緩和が進まずにライドシェア市場では置き去りの感があります。一方で、世界はさらに先に進んでいます。
ライドシェアはさまざまなテクノロジーの融合が図られ、もはや単なるトランスポーテーション(移動)にとどまるサービスではありません。調査会社MarketsandMarketsによると、世界のライドシェア市場規模は2018年時点で613億ドル(約7兆円)規模で、2025年には3倍以上に拡大する見込みです。
ライドシェアの2大アプリといえば「Uber」と「Lyft」です。今回はこの2つを中心に現状を見てみましょう。
2019年11月、UberとLyftの2019年度第3四半期の決算書が公開されました。調査会社Second Measureの分析によると、米国ライドシェア市場規模は堅調であり、シェア70%のUberをシェア29%のLyftが追いかける状況が引き続いています。残りわずかの部分は、ViaとJunoという地域型ライドシェアでした。
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