ヤフーがデータソリューションサービスの提供を開始ビッグデータに基づく事業創造や成長、課題解決を支援

ヤフーのビッグデータから生活者の本音やトレンドを読み解く調査・分析サービスを提供。

» 2019年11月01日 20時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 ヤフーは、同社のYahoo! JAPANの各種サービス(メディアや検索、ECなど)から得られるビッグデータを企業や自治体の事業創造や成長支援、課題解決などにつなげるインサイトを提供するデータソリューションサービスを開始した。

 ヤフーはこれまでも自社内に蓄積されたユーザーのデータを統計的に分析したビッグデータとAI技術を用いて、サービスの改善を続けてきた。近年は異なるサービスのビッグデータを横断して分析することで、より大きなサービス改善を見込めることが分かっていた。

 この手法を社外に対しても提供すべく2018年2月に「DATA FOREST(データフォレスト)」構想を発表。これまで三越伊勢丹や東急不動産、ANAセールス、京都市など約60の企業・自治体と実証実験を進めてきた。その結果、商品開発にビッグデータを活用いただいた商品は、過去一番売り上げたスカートと比較して初週の販売数は約2.6倍になるなど、多くの成果を得ている。この実証実験結果をふまえ、今回正式にサービスの提供を開始した。

 アンケートを用いた既存の市場調査では調査設問の設計者がイメージできる範囲に調査結果が限定されてしまうという課題がある。データソリューションサービスでは調査設問を設計する必要がないため、生活者の顕在化しているニーズだけでなく潜在的なニーズやトレンドも分かる。また調査実施・集計などの時間がかからないため、リアルタイムにそれらを把握することも可能だ。商品・サービスの企画などを支援する市場調査などの利用方法を想定している(関連記事:例:タピオカの次のビジネスチャンスは?――ヤフーの新データサービスで分かることを無料体験ラボで試す)。

 サービス開始当初は、ブラウザ上でユーザーがセルフサービスで調査・分析できるツール「DS.INSIGHT」と、各企業や自治体の要望に応じてDS.INSIGHTでは提供していないビッグデータも含めた分析結果の提供や活用支援のためのコンサルティングを提供する「DS.ANALYSIS」の2種類のメニューを用意。今後ラインアップを増やす予定だ。

生活者の興味関心を可視化する「DS. INSIGHT People」。ヤフーのメディア事業のビッグデータなどを基に、生活者の興味関心を可視化。人気キーワードランキングといった俯瞰的な情報から、特定キーワードの“関連語”“時系列推移”“性年代などの属性分布”といった詳細情報まで、幅広く分析できる
エリア特性・人流の可視化する「DS. INSIGHT Place」。ヤフーに蓄積された位置情報データなどを基に、特定エリアにおける生活者の実態や動きをまとめて可視化する。指定したエリアにいる人々の属性・特徴や流出入人口の推移、検索傾向などを基にした地域の方の興味関心、地域・スポット間の人流規模などを把握できる

 DS.INSIGHTの利用料は月額10万円(税別)から。ライセンス数により利用料は変動する。DS.ANALYSISに関しては都度個別に契約内容や料金を相談して価格を設定する。なお、これらのサービスで利用できる情報は全て統計データであり、匿名加工情報を含めパーソナルデータは提供しない。

 2019年11月5日にはヤフー本社(東京・紀尾井町)内にDS.INSIGHTの体験スペース「DS.LAB」をオープンする。導入前にここでどのようなことが可能か実際にテストすることもできる。

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