これまで何年間かにわたり業績を伸ばしてきた企業であれば、CRMシステムを導入していないケースはほとんどないだろう。だが既存のCRMに満足していない企業、これから事業を始める企業は、CRM導入に向け、要件定義からプロジェクトを進めていくことになる。
2014年5月16日、ナレッジ共有サイトToolbox.comにInsider CRMが掲載した記事“Create an RFP for a CRM System”(「CRMシステムのためのRFP作成」)では、CRMプロジェクトを成功に導く要件定義書の作成方法を開設している。記事によると、「良いRFP作成プロセス」と「そうでもないRFP作成プロセス」があり、これはプロジェクトの成否に結びついているそうだ。CRMプロジェクトの成功とは、もちろん「長期にわたる顧客との良いリレーションシップ構築」であり、それはビジネスの向上につながる。
RFP(requests for proposals)とは、「提案依頼書」「提案要求書」とも訳される文書でユーザー企業側がITシステムに求める要件をまとめたもので、ベンダ側に具体的なシステムを提案してもらうための書類のこと。そのシステムを利用する部門/社員すべてが求めるニーズ(「要件」ともいわれる)をヒアリングし、まとめあげていく。これがRFP作成の第一歩となる「要件定義」の段階だ。
CRMシステムといえば、一昔前は営業部門が主要ユーザーだった。しかし現在は、マーケティング部門とのデータ連携や情報共有の必要性が高まっている上、さらにカスタマーサービス、場合によってはWebチャネルやソーシャルチャネル担当者などとの密接なやり取りが必要だ。要件定義段階では、CRMシステムに携わる部門/スタッフ全員から、求める機能や使い勝手をヒアリングしていくほか、IT部門には「標準となっている/使い慣れたプログラミング言語」など技術要件も確認しておく必要がある。理想をいえば、システムを導入するユーザーより、客観的な第三者(経営企画部門など)が主体となって要件を聞くのがベストだ。
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