顧客のニーズ成熟度や知識レベルに合わせ、最適なタイミングで最適なキャンペーンを実施できないか。マーケティングオートメーションで実現させるための方法を説明する。
今年注目されているマーケティングソリューションの1つに「マーケティングオートメーション」がある。一見すると、マーケティング施策の自動化ソリューションのようだが、実はその根幹を担っているのはナーチャリング(育成)と呼ばれる仕組みだ。ナーチャリングとは、顧客のニーズや知識を成熟させる仕組みづくりのこと。マーケティングオートメーションは、ナーチャリングプロセスに則り、顧客のニーズ成熟度や知識レベルに合わせ、最適なタイミングで最適なキャンペーンを実施できるように支援するソリューションだ。
つまりマーケティングオートメーションを導入したら、即ナーチャリングが実現できるわけではない。ナーチャリングという仕組みをマーケターが理解し、自社のナーチャリングレベルに合わせて、マーケティングオートメーションをナーチャリングの仕組みそのものを育てる必要がある。
2014年3月26日にClickZ.comに掲載された記事“Nurture Marketing: Improving on the Heart of Marketing Automation”(「育成マーケティング:マーケティングオートメーションの根幹を改善する」)で、このナーチャリングプロセスそのものをより効果的に行う5つのステップを紹介している。「ナーチャリングって何?」というマーケターにも分かりやすい内容だ。
1.ドリップナーチャリング
ドリップナーチャリングを訳すとすれば、「ナーチャリングの第一歩」ということだろうか。具体的には、メールマガジンの送付などで、自社の製品や最新ニュース、イベントスケジュールなどを知らせる施策がこれにあたる。ただし、そのほとんどはすべての顧客に対して同じ文面を送っている。自社のナーチャリングがこの段階であれば、マーケティングオートメーションプラットフォームの機能を利用し、既存顧客や見込み顧客に、個別メッセージを送ることから進めていこう。
2.マルチチャネルドリップナーチャリング
上記と似ているが、メールマガジンだけでなくあらゆるマーケティングチャネル経由で少しずつナーチャリングを進めていく段階。普通のダイレクトメール(郵便)や電話から始まり、SMSメッセージまで含む場合もある。ほとんどの企業はメールマガジンだけでなく、マルチチャネルを通じてメッセージを送っているので、逆にいえばちょっとした工夫で競合より効果を上げるチャンスがあるということだ。例えば洗練されたデザイン、アイキャッチに優れたメールを既存顧客や見込み顧客に送り、マイクロサイトやWebフォームに誘導し、製品に関するニーズや知識を育てていく。この段階ではまだ、全顧客に対し同一メッセージを送っている段階といえる。
3.データドリブンナーチャリング
この段階から、いわゆるナーチャリングプロセスが本格化していく。このフェーズになると、既存顧客や見込み顧客のデータを収集、分析し、ナーチャリングプロセスをカスタマイズすることになる。マーケティングオートメーションプラットフォームを利用し、その解析結果に基づいたメッセージを動的に生成する仕組みを構築していこう。
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