2013年は「ソーシャルメディアマーケティング元年」というほど、ソーシャルメディアを活用したマーケティングが台頭した年。そして早くも成熟し始めたと言われているが、そんなソーシャルメディアマーケティングは2014年にどのような方向に向かうのか。
2014年1月27日にMashableに掲載された記事“9 Ways Social Media Marketing Will Change in 2014”(「2014年、ソーシャルメディアマーケティングに起きるであろう9つの変化」)で、アプリ開発企業や電子出版企業の識者9名にその方向性を聞いている。
Kissmetricsの調査によると、写真付きのFacebookの投稿記事は、文章だけの投稿記事と比べ、「いいね!」を得られる可能性が53%増、コメントは104%増、クリックされる率は84%も増加するという。これに裏打ちされるように、PinterestやTumblrの重要性やビジュアルを使ったコンテンツが急増。ソーシャルメディアでの共有を促進するため、グラフィックソフトの活用とビジュアルコンテンツの生成は一層高まると予想される。
現在、企業はオーディエンスとのエンゲージメントやナーチャリングリレーションシップ、バリューのシェアに注力しているが、そこでつながったオーディエンスに「セールス」を強要することは避けるべき。今後はさらに、価値や楽しさを訴求し、顧客にとって得となる割引やエンゲージメント促進策を模索していくことになる。
昨年より頻繁に登場してくるようになった「マーケティングオートメーション」。2014年は、製品/サービスを必要としている顧客に最適なタイミングで最適な提案を行うマーケティングオートメーションが爆発的に普及するとみられている。昨年来のソーシャルブームにより、現在ソーシャルメディア専門マーケターにかかる負荷は相当なもの。今年はオートメーション化できる分野はオートメーション化し、ソーシャルメディアマーケターはコンテンツに注力する仕組みが整備されると予想される。
日本国内では、キャリアアップ用ソーシャルメディアとして認識されることが多いLinkedInだが、米国では少し様相が異なる。キャリアアップという点は間違っていないが、転職用ではなく、個人や企業が持つキャリア/実績をコンテンツ化し、パブリッシュしていくプラットフォームとして活用されており、ビル・ゲイツやリチャード・ブロンソンも利用している。例えばキャリアコンサルタントが「歩き方やカラーコーディネート」を指南するコンテンツを書いたり、ITベンチャーの社長が会計学コンテンツを執筆したりするなど、プライベート目的で日常コンテンツ要素が強いFacebookと異なり、純粋に仕事のノウハウを学べるソーシャルメディアとなっているのだ。これは企業にとっても同じで、産業ニュースなどはLinkedIn経由で発信されることが増えている。日本ではFacebookの活用が盛んだが、LinkedInについても今後は要注目だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.