独SAP、およびスイスに本社を置くhybrisは、SAPによるhybris買収が完了したことを発表した。
hybrisとは、オンラインストアや企業Webサイト、モバイル、コールセンターなどのチャネルやさまざまなデバイスにおいて一貫したエクスペリエンスを実現し、顧客管理やビジネスフローの迅速化/向上を実現するソリューションベンダ。これに独SAP(以下SAP)が持つインメモリー技術やクラウド対応、エンタープライズ業務におけるモバイル技術などを組み合わせることで、より詳細で高水準の顧客インサイトの実現やエンゲージメントを促進するという。
SAPによる買収は完了したが、hybrisはコマース技術のリーダーとして現在の経営陣の下で独立した事業部として運営される。名称は「hybris, an SAP company」。SAPの顧客のほか、従来からのSAP以外の顧客企業にも対応していく。
オープンで柔軟に拡張できるオムニチャネル対応プラットフォームを提供しているhybrisは、最新の商品コンテンツを管理できる機能や、顧客/商品/注文状況などに基づき取引内容を一括で確認できる機能を備え、統一されたコマースプロセスを実現する。一方企業側も、エンゲージメントが顧客主体となっている現在、さまざまなチャネル/デバイスにおける顧客対応をシームレスに連携すると同時に、リアルタイムな情報を基にパーソナライズしたエクスペリエンスを提供する必要に迫られている。今回の買収により、インメモリー技術を使ったリアルタイムデータ処理に強いSAPのテクノロジと、hybrisのシームレスなエクスペリエンス実現テクノロジが融合することで、こうしたビジネス課題を解決する。
SAP共同CEOであるビル・マクダーモット氏とジム・ハガマン・スナーベ氏は「SAPのソリューションにhybrisが加わったことで、すべての機器やチャネル、タッチポイントにおける顧客リレーションシップを強化し、次世代カスタマーエクスペリエンスを実現する」と述べている。またhybris CEOのアリエル・リュディ氏および社長兼共同創業者のカーステン・トーマ氏も「世界のあらゆる企業に採用されているhybrisのソリューションが、SAPによってより強化されることで、オムニチャネルビジネスのさらなる加速を実現する」と述べている。
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