ユーザーエクスペリエンスの向上、行動履歴/嗜好に合わせたコンテンツ表示など、リアル店舗でもECサイトのような取り組みを展開することができる。
楽天は昨年過去最高収益を上げ、Googleはオンラインショッピング事業に乗り出すなど、やや押され気味であるリアル小売業。だがPWCの調査“Demystifying the online shopper 10 myths of multichannel retailing”(「オンライン顧客の神秘を解き放つ――マルチチャネルリテールの10の神話」)によると、「ファッションや食料品など大部分の分野で、商品リサーチや購買の際にはリアル店舗の方を好む」という結果が出たという。最も、多くの店舗はECサイトを持っているので、リアル店舗だろうとECサイトだろうと、あまり影響はないのかもしれない。
そんなリアル店舗とECサイトの根本的な違いといえば、「デジタルかどうか」という点だ。ECサイトは、ユーザーの閲覧履歴や行動履歴を蓄積/分析し、より詳細な顧客インサイトとパーソナライズ化を行いやすい。顧客に合わせたコンテンツの表示はもちろん、ネットサーフィン中は、ふとした拍子に商品広告が出ることがある。
4月9日にClickZ.comに掲載された“How Big Data and Analytics Are Transforming In-Store Experience for Retailers”(「ビッグデータ分析結果を、リアル店舗のユーザーエクスペリエンスに適用するには」)と題する記事は、一般的にECサイト特有の取り組みと思われている施策、つまりユーザーエクスペリエンスの向上や、行動履歴/嗜好に合わせたコンテンツ表示を、リアル店舗で行ってしまおうという内容だ。実際、現在の技術を適用すれば、リアル店舗でもECサイトのような取り組みが可能だという。具体例を見ていこう。
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