Google Analyticsを代表とする無償のWebアクセス解析ツールの利用が広まる中、有償ツールの市場はどのように移り変わっていくのか。
「アナリストの視点」では、アナリストの分析を基に、IT市場の動向やトレンドを数字で読み解きます。
企業活動において、ブランディングや商品のプロモーション、商品販売などを可能とするWebサイトの重要性が増している。企業サイトは重要な宣伝媒体であり、販売チャネルであり、情報収集の場として、ビジネス活動に欠かせないツールとなっている。
こうした中、自社サイトに効率的に集客し、Webサイト内で効果的かつ適切な情報を提供していくといったWebマーケティング活動の重要性が増している。Webサイトやモバイルサイトをより効率よく運営していくために欠かせないのが、アクセス解析ツールや広告効果測定ツールによる効果検証である。
本稿では、「Google Analytics」に代表される無償ツールの普及拡大の影響などにより、競争が激化している有償アクセス解析ツール/広告効果測定ツール市場を考察する。
Google Analyticsに代表される無償ツールの普及や、景況の悪化に伴うライセンス製品の苦戦などにより、有償ツール市場の市場規模伸張率は鈍化傾向となっている。今後も無償ツールの影響により、導入企業数の大幅な伸びが期待できないため、当面はほぼ同様の傾向が続くと見られる。
ただし、(1)解析データ利活用の高度化に伴う無償ツールから有償ツールへの移行、(2)同一企業内における利用部署増加に伴う単価の向上、(3)ユーザーの複数ツール利用率の増加、(4)プラットフォーム提供やコンサルタントの充実による成果の向上などにより、今後も金額ベースの市場規模は微増すると予測する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.