低品質コンテンツがSEOに与える影響は? 低品質になってしまう4つの原因と改善方法SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説

検索エンジンのランキングアルゴリズムの妨げとなる低品質コンテンツは、検索順位の低下やトラフィックの減少など、SEOに悪影響を及ぼします。この記事で対策をしっかり学びましょう。

» 2024年11月29日 08時00分 公開
[谷川祐一ITmedia マーケティング]

 この記事では、コンテンツの品質についてSEOの視点で解説します。「低品質コンテンツとSEOの関係性は?」「低品質コンテンツが発生してしまう原因が知りたい」といった疑問を解消し、コンテンツの質を改善するための方法をお伝えします。

低品質コンテンツがSEOに与える影響は?

(画像提供:SEOタイムズ)

 ここで言う低品質コンテンツとは、検索エンジンに「質が低い」と評価されるコンテンツのことです。低品質コンテンツは検索エンジンのランキングアルゴリズムの妨げとなるため、検索順位の低下やトラフィックの減少など、SEOに悪影響を及ぼします。

検索順位の低下

 Googleが高く評価するのは、ユーザーにとって有益な情報を提供するWebサイトです。反対に、ユーザーにとって価値の低い、いわゆる低品質とみなされたコンテンツを含むWebサイトは評価が下がり、全体的な検索順位が低下します。

 低品質コンテンツが検索順位に与える悪影響は、該当ページだけにとどまらないことは要注意です。一部のページの質が低いばかりに他の良質なページの順位まで悪影響を受けるかもしれないのです。

 価値の低いコンテンツを多く含むWebサイトの検索順位が下がる可能性は、Google検索セントラルブログ「2022年8月のGoogleの有用なコンテンツの更新についてクリエイターが知っておくべきこと」(外部リンク)でも言及されています。

トラフィックの減少

 Webサイトへのトラフィックは、検索エンジンのランキングと密接に関係しています。検索結果の上位に表示されるほど多くのユーザーの目に触れ、クリックされる可能性が高まります。反対に、検索結果の上位に表示されなければ、当然ながらユーザーの目に触れる機会は減ります。結果、Webサイトへの流入経路が狭まり、トラフィックが減少してしまうのです。

 これは、ビジネスにとって大きな損失につながる可能性があります。検索順位を維持・向上させて安定したトラフィックを得るためには、Webサイト全体でコンテンツの質を高く保つことが必須と考えるべきでしょう。

低品質コンテンツが生まれる4つの原因

 低品質コンテンツが生まれる原因はさまざまですが、大きく分けると以下の4つが挙げられます。

  1. コンテンツのチェック体制が整っていない
  2. 過剰にキーワードを詰め込んでいる
  3. リサーチ不足
  4. ターゲット(ペルソナ)が定まっていない

1. コンテンツのチェック体制が整っていない

 Webサイト運営において、コンテンツの質を管理する体制が整っていないと、低品質なコンテンツを書いてしまうケースがあります。

 コンテンツの質に関する明確な基準やガイドラインが定まっていない場合、書き手がそれぞれ独自の判断で記事を作成してしまうため、品質にばらつきが生じやすくなります。

 記事の内容、構成、表現方法、キーワードの使い方などが統一されず、結果的にWebサイト全体の質が低下してしまうのです。

 コンテンツの校正・校閲プロセスも重要です。これが確立されていないと、誤字脱字や事実誤認、文法的なミスを含むコンテンツを公開してしまうリスクがあります。このようなミスは、ユーザーからの信頼度を低下させ、Webサイトの評価を下げることにつながります。

 加えて、コンテンツ公開後の効果測定やフィードバックの仕組みが不十分だと、低品質なコンテンツが放置されたままになり、Webサイト全体の品質低下を招く可能性があるでしょう。

 アクセス数や直帰率、滞在時間などのデータ分析やユーザーからの意見を収集・分析する仕組みを導入することで、コンテンツの改善につなげることが求められます。

2. 過剰にキーワードを詰め込んでいる

 キーワードを過剰に詰め込んだコンテンツは、低品質コンテンツと判断される可能性が高いです。

 キーワードは検索エンジンのクローラーがコンテンツの内容を理解する手がかりとなる重要な要素ですが、必要以上に詰め込み過ぎると、ユーザーにとって不自然で読みにくい文章になり、検索エンジンの評価も下がる可能性があります。

 以前は検索エンジンのアルゴリズムの精度が低かったため、キーワードの含有率を高めることで検索順位の操作が可能でした。しかし、現在では検索エンジンのアルゴリズムが見直されており、キーワードの乱用は逆効果です。

 コンテンツの内容に関連するキーワードを自然な形で使用するのが正解です。

3. リサーチ不足

 良質なコンテンツを作成するためには、事前の入念なリサーチが必須です。しかし、リサーチ不足が原因で低品質なコンテンツが生まれてしまうケースも少なくありません。

 どのようなコンテンツが「リサーチ不足」といえるのでしょうか。主な例として、以下の3つが挙げられます。

  • 独自の情報や付加価値がない
  • 表面的で深堀りされていない
  • 事実確認や裏付けが不十分

 既存の情報や他サイトのコンテンツを寄せ集めただけで、独自の視点や情報、付加価値が何も含まれていないコンテンツはリサーチ不足といえます。このようなコンテンツは、ユーザーにとって有益な情報がなく、検索エンジンからも低い評価を受けます。

 テーマやキーワードについて表面的にしか触れられておらず、内容が浅く、読者の疑問を解消したり、深い理解を促したりすることができないコンテンツもリサーチ不足といえます。読者は、より詳細な情報や専門的な知識を求めているにも関わらず、コンテンツがその期待に応えられていない状態です。

 不正確で信憑性に欠ける情報、出典が不明瞭な情報、古い情報などを含むコンテンツもリサーチ不足が原因といえます。このようなコンテンツは読者を誤解させたり、不利益を与えたりする可能性があり、信頼性を損なう大きな要因になるでしょう。

 リサーチ不足を避けるためには、以下の対策が有効です。

  • 複数の情報源を参照する
  • 最新の情報にアクセスする
  • 読者の検索意図を理解する
  • 専門家への取材やインタビューをする
  • 徹底的にファクトチェックする

 これらの対策を実践することで、リサーチ不足による低品質コンテンツの発生を防ぎ、ユーザーにとって有益で、検索エンジンからも高く評価される良質なコンテンツの作成ができます。

4. ターゲット(ペルソナ)が定まっていない

 Webサイトやコンテンツを作成する際、誰に向けて情報を発信するのかを明確にしておくことは非常に重要です。ターゲットが定まっていないコンテンツは、誰のニーズも満たせず、結果として低品質とみなされる可能性があります。

 ターゲットを定めることで、以下のようなメリットがあります。

  • ユーザーニーズに合った情報を提供できる
  • コンテンツの質が向上する
  • SEO効果が高まる
  • コンバージョンの向上につながる

 Webサイトやコンテンツを作成する際は必ずターゲット・ペルソナを定め、ユーザーにとって有益な情報を提供し、SEO効果を高めるように心がけましょう。

 これらの原因を踏まえ、コンテンツ制作の際には、品質管理、キーワードの適切な使用、事前調査、スケジュール管理などの徹底が重要です。

低品質コンテンツの改善方法

 先ほど解説した低品質コンテンツが生まれる原因を基に、該当するコンテンツをピックアップしましょう。GoogleサーチコンソールやGA4といったツールを使って低品質コンテンツを特定することもできます。

 Googleに低品質なコンテンツだと判断されてしまった場合、検索順位が下落したり、検索結果に表示されなくなったりする可能性があります。そのため、早急に対処する必要があります。

 対処方法は、主に「リライト」と「削除」の2つです。

リライト

 リライトとは、既存のコンテンツを書き直すことで内容の質を高め、よりユーザーにとって有益な情報にする作業のことです。単に表現を変えるだけでなく、情報の追加や整理、構成の見直しなど多岐にわたる改善が必要になります。以下、リライトの手順と具体的な方法を解説します。

  1. 現状分析
  2. 情報の追加・修正
  3. 構成の見直し
  4. 表現方法の改善

 リライトの効果を高めるためには、ユーザーニーズを徹底的に調査し、それにもとづいたコンテンツ作成を行うことが重要です。質の高いコンテンツを提供することで、ユーザーの満足度向上、SEO効果の向上につながります。

削除

 低品質コンテンツの場合、コンテンツの削除も改善方法の一つです。これは、コンテンツの質が低いと判断された場合に、Webサイトからそのコンテンツを完全に削除することを意味します。

 一見すると極端な対策に思えるかもしれませんが、SEOの観点からは非常に有効な手段といえます。削除が有効となるケースは、主に以下の通りです。

  • 改善が難しい低品質コンテンツ
  • 他のコンテンツと重複している
  • Webサイト全体のテーマと関連性が低い
  • 違法性がある、不適切なコンテンツ

 削除は、コンテンツ資産の減少につながるように見えるかもしれません。しかし、低品質コンテンツを放置してWebサイト全体の評価が下がるリスクを考えれば、削除は長期的なSEO戦略においてプラスに働くといえます。

 どの方法で対処するかは、ページの内容や重要度などを考慮して判断しましょう。例えば、アクセス数が多く重要なページであればリライトを行い、アクセス数が少なく重要度の低いページであれば削除を検討します。

 また、対処法というわけではありませんが、大前提としてGoogleの「検索品質評価ガイドライン」から基本的な内容を学んでおくことも重要です。これは、Googleが検索結果の品質を評価するために外部の評価者向けに用意しているマニュアルです。

 検索品質評価ガイドラインでは、ページの品質を評価する際に「ページの目的・意図」「E-E-A-T」「広告などが閲覧の邪魔をしているか」といった項目を参考にしていることが明記されています。これらの項目を理解し、自社のWebサイトに反映することで、ユーザーにとって価値のあるWebサイトとして評価されやすくなります。

低品質コンテンツを作らないためのSEOチェックリスト

 ここまで解説してきた低品質コンテンツの内容をふまえ、最後にSEO対策としてコンテンツを作成する際に確認すべきチェックリストを紹介します。

  • ユーザーの検索意図とニーズに応えているか
  • 信頼できる情報源にもとづいているか
  • オリジナリティがあり、価値を提供しているか
  • わかりやすく読みやすい文章で書かれているか
  • 見出しや段落構成が整理されているか
  • 誤字脱字や文法的な誤りがないか
  • 画像や動画を適切に使用しているか
  • 内部リンクを適切に設定しているか
  • モバイルフレンドリーに対応しているか
  • 読み込み速度が速いか
  • セキュリティ対策は万全か
  • 定期的にコンテンツを更新しているか

 これらのチェック項目を参考に、高品質なコンテンツ制作を心がけましょう。


 今回は低品質コンテンツがSEOに及ぼす影響について解説しました。

低品質コンテンツを放置することで、Webサイト全体の検索順位の低下、トラフィックの減少につながる危険性があります。コンテンツを作成する際は、ユーザーニーズに応えることを第一に、キーワードを適切に使用したり、徹底したリサーチを行ったり、低品質コンテンツを発生させないよう工夫することが重要です。

 Googleから評価を得られていないコンテンツがあれば、リライトや削除など状況に合った改善方法を実施しましょう。

執筆者紹介

谷川祐一

谷川祐一さん

たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム リーダー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(リーダー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。


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